10月1日:パート2




 先日、安倍前総理が入院先の慶応病院で記者会見をやった。 体調はかなり悪かったと思う。 が、気力を振り絞って「総理を辞任した本当の理由」を説明し、国民に謝罪した。 自分はこのタイミングでの記者会見には賛成出来なかった。 でも、テレビ画面に映った安倍前総理が「ギリギリの状態で言葉を発している姿」を見て、「これはこれで、首相としてのケジメのつけかたなのかもしれない」と思った。 実際、会見の後で「直滑降」に寄せられたメールも、半分は「やっと国民に謝ってくれた」「さすがに可哀想な気がした」という同情的なトーンだった。 え?あとの半分は依然として「辛辣」だった。

 

 「総理・所信表明演説」の翌日に辞任したという点については、安倍前首相自身が「最悪のタイミングだった」と反省の言葉を口にした。 申し訳ないが、そのとおりだと思う。 あの時点での総理の「突然の辞任」は、あらゆる意味で(内政的にも外交的にも)日本の国益を大きく損ねた。 同時に、安倍内閣の路線を批判し続けてきた永田町内外の「アンチ安倍勢力」を「それみたことか!」と喜ばせ、安倍総理を支持してきた各界の応援団を「まさか、こんなことが!」と落胆させた。 次世代の地象徴的存在だった安倍総理の挫折で、自民党内の「世代交代」は頓挫した。 ここからは急速な「先祖がえり」が始まるだろう。

 

 「山本一太」は、「安倍晋三」という政治家を(次世代のスターになる前から)一貫して応援してきた。 昨年の安倍政権の実現には(微力ながら)ひと役かったと自負している。 今でも安倍さんの人柄が好きだし、何よりも「安倍親衛隊」の急先鋒を務めてきたのだ。 その自分が(手の平を返したように)安倍前総理の悪口を言ったり、批判するようなことは出来ないし、やりたくない。 安倍総裁に一票を投じた与党の政治家としての責任というものがある。 安倍首相を直接支えられるような役職(内閣や総理官邸のポスト)になかったとはいえ、応援団として「大して前総理の力になれなかった」ことを申し訳なかったと感じている。

 

 が、しかし、もし自分が「あの安倍総理の辞任」に関して、「小沢党首が会談に応じなかったのだから、あの時点での退陣は仕方がなかった!」とか、「ああなったのはマスコミの報道のせいだ!」とか、「安倍首相の足を引っ張った閣僚たちが悪いのであって、安倍総理の責任ではない!」などと本気で思ったとしたら(またそんなことを発言したとしたら)、山本一太は政治家として「失格」だと思う。 国会議員としての見識を疑われる。 いかなる理由があろうと、あの「辞任劇」は国民の批判を受けて当然だ。 国会開会中に「政治空白」を作ってしまった責任は免れない。 安倍総裁を選んだ与党の国会議員の1人として、国民の皆さんに心からお詫びを申し上げたい。 更に、代表質問を準備していた野党の方々にも、謝らねばならない。

 

 以上のことを前提に、「なぜ、安倍首相の退陣が悔しかったのか」「それでも不運な部分があったのではないか」ということに話を進めたい。 あ、もうすぐ午後1時。 そろそろ本会議場に向かわないと。 この続きは「安倍総理の辞任と山本一太の責任:その2」で。






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