4月19日:パート3




 午後2時15分。 時間調整のために立ち寄った太田市内のファミレスでパソコンを開いた。 地元スタッフの手際のいい案内のお陰もあって、予定より「1時間以上早い」ペースで日程を消化した。 ちょっと手が痛いのは真面目に握手を繰り返してきたからだ、な。 最後に残った有力市議の事務所には「午後3時半頃に伺いますよ!」と伝えてある。 時間に合わせて支持者を集めておいてくれるそうだ。 他の地域に足を伸ばすには時間が足りない。 ということで、1時間のリラックスタイムが転がり込んで来た。 ふむ。 古代中国の(?)「三七人参湯」って、結構、美味しい。

 

 さて、自分が「7月の参議院選挙」をどう見ているか。 ギリギリ支障のない範囲で書いておこう。 結論から言うと、自民党にとって「かなりの苦戦」になる確率が高い。 一歩間違えると「大惨敗」という結果さえ考えられる。 申し訳ないが、自民党執行部にも、現職の多くの候補者にも、「本当の危機感」が感じられない。 そのことをとても心配している。 かく言う自分も、「爆弾低気圧」が襲ってきた場合は、50%の確率で淘汰されてしまうだろう。

 

 「なぜ、苦戦だと思うのか」を順を追って、解説していこう。 まず第一に、参院選地方区(全県一区)に立候補する各県の候補者の「戦闘力」を分析する必要がある。 ある県のある候補者が「選挙に勝てる確率」は、次の2つの要素で決まる。 ひとつは、その選挙区が政治的に安定しているかどうか。 別の言い方をすれば、その選挙区の自民党候補が当選するためにどれだけ有利な条件が揃っているかということだ。 もうひとつは、選挙を戦う候補者自身にどれだけ集票力があるか。 つまり、支持を訴える「当事者」に有権者を惹き付ける魅力とか、得票を生み出すためのネットワークを備わっているかどうかという点だ。 もっとぶっちゃけて言えば、自民党が伝統的に強い地盤なのかどうか、候補者が「選挙に強いタイプ」なのかどうかという2つの視点だ。

 

 たとえば、保守の牙城である島根県、あの「消費税逆風」の下でも議席を守り切った和歌山県、安倍首相(現職総理)のお膝元である山口県、有力な与野党の現職2人が2議席を分け合っている宮城県、自民党候補を1人に絞っている神奈川県などは、(少なくとも参院選挙に関しては)保守王国と呼ばれる「群馬県」を上回る「政治的安定」を維持していると言っていい。

 

 自分の見方では、47都道府県で最も安定している参院地方区は、島根県と和歌山県。 政治的に自民党の岩盤が厚いことに加え、現職候補が「選挙に強い」からだ。 更に具体的に言うと、島根の景山俊太郎氏(参院自民党筆頭副幹事長)と和歌山の世耕弘成氏(首相補佐官)は、(タイプも年齢も違うが)近い将来、日本の政治の中枢を担う人材だと思う。(島根と和歌山の皆さん、このことを忘れないでください!)

 

 え?「選挙に強いタイプかどうか」をどう判断すればいいのかって?? 「選挙力」の数値は、その政治家の日頃の言動や地元の活動を「ちょっと真面目に」観察かつ取材すれば、すぐに分かる。 以前にもチラッと書いた憶えがあるが、7月の参院選挙を戦う現職候補の「戦闘力」を測る物差しは、小泉ブームで大勝した3年前の選挙の得票ではない。 その前の、更にその前の前の選挙の得票だ。 前回と前々回の票を比べてみれば、その政治家が本当に「選挙に強いタイプ」かどうかが分かる。 この6年間で「よほど目立つ活躍」でもしていないかぎり、各参院議員の「選挙の実力」は「12年前の選挙で獲得した票」だと考えたほうがいい。

 

 群馬県は「3人の偉大な総理」を生んだ政治のメッカだ。 参議院地方区でも、30年に渡って自民党が定数2議席を独占してきた。 が、ここ数年、その保守王国にも「変化の波」がひたひたと押し寄せている。 全県を選挙区とする自民党の参議院議員にとっては、けっして「安定した選挙基盤」ではない。 

 

 と、ここまで書いたところで、出かける時間になった。 続きは次回のレポートで。




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