3月26日




 午後11時。東京の部屋でパソコンの電源を入れた。夜。都内のカフェで会った知り合いのジャーナリストが、分かれ際に「山本さん、何かやる時は先に教えてください!」と言っていた。(*ちょっと嬉しい言葉だ。) もちろん「やりたいこと」は山ほどある。が、これから7月までは選挙区の活動に専念する。地元有権者との地道なコミュニケーション。これが出来なかったら「政治家」じゃない!

 

 本日の参院予算委員会と参院本会議で、ようやく平成19年度予算が成立した。群馬県議会議員選挙の告示日は3月30日。来週1週間(投票日の4月8日まで)は、連日、地元に突入する予定だ。県議選の応援で群馬県中を飛び回ることになる。自民党の公認・推薦候補には全員、当選してもらわねばならない。この局面で全力を尽くすことが、7月の参院選挙に直結する。幸い、あちこちから「お座敷」がかかっている。各選挙区で「魂を込めた」応援メッセージを炸裂させる。ここが「応援男」の腕の見せどころだ!!

 

 さて、今国会でも「事務所費問題」に端を発した「政治とカネ」の問題がクローズアップされた。安倍総理も「現行の政治資金規正法」の改正に言及している。この問題に関して、自民党の党改革実行本部(石原伸晃本部長)では「事務所費の費目を増やす」という方向で議論を進めているようだ。他方、「資金の透明性」を高める改革(たとえば1万円以上の支出には領収証の貼付を義務づける等)については、「政治活動の自由」や「プライバシーの確保」という観点から慎重な姿勢をとっている。 まあ、これはこれでひとつの考え方だろう。が、しかし、個人的には(多少、時間がかかっても)「事務所費」をより透明にする「法律改正」はなされるべきだと考えている。これから本格化する(?)与党プロジェクトチームの議論に期待したい。

 

 「事務所費問題」(光熱水費)に関して、安倍総理は、松岡利勝農水大臣を「庇う」姿勢を貫いている。松岡大臣の「農政スペシャリスト」としての活躍を期待して抜擢した安倍首相にすれば、農政分野でしっかりと責任を果たしてもらいたいという気持ちだろう。 安倍首相が自らの判断で決めた方針だ。異論を唱えるつもりはない。松岡大臣には「農政に貢献する」ことで、この「失点」を取り戻していただく他はない。

 

 加えて、小沢一郎党首が、「オレが事務所費(10億円の不動産の内訳)を公開したのだから、閣僚も明らかにすべきだ!」というのは、どう考えても理屈がおかしい。(*だいたい、「不動産取得」について十分な説明責任を果たしているとは思えない。) 現行の法律で「そこまでの公開を求められていない」というのも事実だ。

 

 が、しかし、「光熱水費」に関する農水大臣の答弁について、地元の会合で批判を受けることはある。あちこちで叱られながら、安倍総理の立場を説明している。自分が最も懸念するのは、国民から「政治家は皆、政治資金(事務所費)を違法な形で使っている」かのように誤解されてしまうことだ。 「政治とカネ」に関しては、もともと「曖昧なルール」の中で泳いでいる「グレーな部分」があることは否定しない。 慣行でやってきた間違いを訂正しなければならないというケースはあるだろう。 「該当する費目がない」支出は「事務所費」に計上せざる得ないというシステム上の欠陥もある。が、自民党の国会議員を含む「ほとんどの政治家」は、事務所費の枠の中で「領収書の出せない支出」なんてやっていない。 1万円以上の領収書の提出を求められて困る人なんて、ほとんどいないはずだ。

 

 そのことを証明するために、昨年(平成18年)1年間の「山本一太の事務所費」を公開したいと思う。 地元スタッフに何度も問い合わせたが、「香典」を除いて「すべての支出」に領収書をとり、保管している。「香典」にはさすがに領収書をもらっていないが、どこにどれだけ出したかということはちゃんと記録している。 山本一太の事務所費に「表に出せない会合」(?)なんて1つもない。 本当なら「領収書のコピー」も掲載したいところだが、政治的に利用されてもいけない。ここはサラッと内訳だけを書かせてもらう。

 

「参議院議員山本一太:平成18年(1月ー12月)事務所費内訳」




合計:13、836、013円




家賃:      2、520、000

事務機器リース料   565、992

レタックス    5、336、410

切手・宅急便     813、204

電話       1、450、797

出張旅費       364、957

高速料金       215、180

車経費        593、619

傷害保険       210、660

健康診断       138,750

労務・会計顧問料   283、500

雑費       1、342、944




追伸:

1.合計で年間/約1400万円というのは、思ったより多かった。ふむ。「支出の費目」はもう少し整理したほうがいい、な。




2.今から4、5年前、自民党と民主党の若手有志議員4名で、月刊誌「論座」に「政治とカネ」に関する論文を寄稿した。 同じ誌上で「政治資金公開」もやった。昨年亡くなった地元の公設第一秘書に電話をかけ、「公開に必要なデータ」を集めるように指示した。が、1週間経っても、ちっとも数字が送られて来ない。業を煮やして催促の電話をした。自分のことをいつも身内のように心配してくれたそのベテラン秘書が、困ったような口調でこう言った。




 「一太さん。気持ちは分かりますが、政治資金の流れを雑誌で(しかも実名で)公開した人はいません。うちは他の事務所に比べて、けっして変なことはやってませんし...やっぱりどうしても出さないといけないんでしょうか?」 さらにこんな言葉が続いた。「もし公表した数字が間違っていたりしたら、政敵から攻撃を受けます。不必要なリスクは避けたほうがいいと思うんですが、どんなもんでしょう?」 反射的に(強い口調で)次のように答えた。「もし計算が間違っていたら訂正したらいい。不適切な処理を指摘されたら、謝って直せばいい。 00さん、いいですか? 国会議員としてこんな情報さえ公開出来ないのなら、私は政治家を辞めます!本気ですから、ね。そのつもりで明後日までに数字を集めてください!」 今考えて見ると、ベテラン秘書は地元のいろいろな人と相談し、「山本一太のためにならない」と判断したに違いない。自分のことを思っての言葉だったと思う。

 

 今回は、当たり前のように「数字」が出てきた。12年間、政治活動の適否を判断する「明確な物差し」がない政治文化の中で、「グレーゾーン」に悩みながら政治家をやってきた。自分だけが「100%クリーンだ」などと言うつもりはない。が、だからこそ、「政治の体質」を変える努力をしなければならないのだ。そう。山本事務所のスタッフにも、ようやく「一太イズム」が浸透してきたようだ。

 

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