3月18日:パート2
先日、新幹線の中で週刊誌をパラパラとめくっていたら、世耕弘成首相補佐官の記事が目にとまった。何でも静岡県で行った講演で、TVタックルの「裏話」(ビートたけし氏のギャラとか)をやり、会場を湧かせたらしい。その講演の中で「メディア戦略の達人」を自任する世耕氏が、自らの経験に基づく「TVタックルで発言する極意」みたいなものを披露したと書いてあった。
世耕補佐官が語ったところによれば、「TVタックルでは、発言を始めたら(息つぎをせずに)終わりまで一気に話をしなければならない。野党議員から『それは違う』みたいに突っ込まれて一瞬躊躇すると、原口さん(民主党議員)に発言を奪われる。さらには、味方にも要注意。『そのとおりだ』みたいな間の手が入って言葉を中断すると、山本一太に持っていかれる!」そうだ。(笑) あれ? 原口代議士が「原口さん」で、山本一太が「呼び捨て」なのは、ちょっと気になるなあ。(笑・笑)
この記事を読んで「ううむ」と唸ってしまった。こんな「特定のテレビ番組」への出演やそこでの発言の仕方に関してさえ、メディア対策として「マニュアル化」してしまう(言葉で表現出来る)「頭脳の緻密さ」「巧みに論理を組み立てる思考の構造」に感心したからだ。その気になれば、「自民党の部会で印象の強い発言をする方法」とか、「年末の税制調査会で司会の小委員長から指名されるための手のあげ方戦略」とか、(もしかすると)「総理が少し疲れている時に、短く自分の考えをインプットするための10の方策」みたいな「世耕マニュアル」が続々と生み出されるに違いない。
山本一太は「永田町の応援男」、小林温参院議員は「政界の司会男」と呼ばれている。別名「永田町のキャッチコピー男」としては、世耕さんに「政界のマニュアル男」(又は政界の「マニュアル星人」)というニックネームをプレゼントしちゃおう。(笑)この緻密な「戦略マインド」で、これからも安倍総理をしっかりと支えていただきたいと思う。
この「世耕講演録」を読みながら、「なるほど、この若き首相補佐官と自分は、ドイツ人とイタリア人くらいタイプが違うんだな」と思ってニヤリとしてしまった。 山本一太は「政治はマニュアル化出来ないビジネス」だと考えている。ここはちょっと世耕氏と考え方が違う。人間の(ましてや政治家の)「個性」や「感性」を変えたり、発言をコントロールすることは基本的に無理というのが持論だ。
たとえば、政治家山本一太が、舛添要一氏や武見敬三氏のようにインテリジェントに話すことは出来ない。が、同時に彼らも自分と同じようなテンポで語ることは不可能だろう。それが「個性」というものでしょう。
信じてもらえないかもしれないが、よく、政治家志望の若者から、「山本一太さんの演説は他の人と違うインパクトがある。どうすればそんな風にしゃべれるようになるんですか?」とか、「山本さん、(結果だけ見れば)選挙、強いですよねえ。 有権者にアピールする最も効果的な方法は何ですか?」などと聞かれることがある。 そういう質問に対してはいつも、「演説にも、選挙にも、秘訣などというものはありませんよ!」と答えるようにしている。 要は、それぞれが(試行錯誤を繰り返しながら)自分の強みを生かした戦法を編み出す。 これ以外の方法は存在しないと確信しているからだ。
たとえば、過去6年間、資金パーティーは一切やらず、妻は全くと言っていいほど選挙区に入らず(というより物理的に入れず)、出来るだけお金をかけずに「遊説と街頭とミニ集会」の3点セットで保守王国の国政選挙を打とうとしている「一太流のスタイル」は、回りから見たらさぞかし「不安定で無鉄砲に」見えるに違いない。(この「山本戦略」が本当に正しいかどうかはこれから証明されるとして)仮にこの方法論をマニュアル化したとしても、他の自民党議員はこんな「危なっかしい」やり方は採用しない。つまり、何の参考にもならないということだ。
正直言って、自分は「優等生タイプ」「八方美人型」の政治家がどうしても好きになれない。テレビの討論番組で「計算しつくされた100点満点の発言」をする議員を見ると、「なんだ、コイツ!」と思ってしまう。 これを言うと「視聴者の反発を喰う」と分かっていながら口に出してしまうとか、感情が逸脱してリスクの高い言葉を発してしまうみたいな政治家のほうが、ずっと人間的で、魅力がある。あ、断っておくが、世耕補佐官は、もはや「優等生」ではない。参院自民党では山本一太と同じ「不良扱い」になっている。(笑)やや「八方美人」的なのは、性格が「優しい」から。(だと思う。)本当に勝負する時には、逃げないタイプだ。
そう。永田町には「頭いいなあ!すごいなあ!自分には出来ないなあ!」と感心する国会議員は大勢いるが、「感動を与える」力を持った政治家はごく少数だ。 小泉前総理には回りの人間をわくわくさせる「躍動美」があった。安倍総理には人の心を打つ「信義」がある。そして、河野太郎の「自民党の常識から外れた発言」には(感心はしないけど)ちょっぴり感動したりして。戦後プロ野球の黄金時代を築いた2人のヒーローといえば、王貞治と長嶋茂雄。王選手は「記録に残り」、長嶋選手は「記憶に残る」と言われた。(*今や、王監督も記憶に残るヒーローになっているが。)いつも思う。政治家でいられる時間は限られている。でも、政治の道に入ったからには、心を揺さぶるような言葉を持った「記憶に残る政治家」になりたい、と。
追伸:これから世耕補佐官とテレビで一緒になる時は、気をつけようっと。「山本一太と一緒にテレビ出演して、発言を遮られない方法」というマニュアルを作られてしまうかもしれないから!(笑)まあ、このマニュアルは多分、役に立たない。最後には、「山本一太をうまく扱う方法」なんていう法則まで作ってもらえたら、感動しちゃうんだけど、な。
この直滑降レポー
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