12月17日:パート3




 館林市内で行われた某市議のお通夜に参列し、熊谷駅へ。熊谷から東京行きの新幹線に乗った。ちょうど午後7時10分を回ったところだ。ホームの自販機で買った熱いコーンスープをすすりながら、パソコンを引っ張り出した。尊敬していた県議が突然亡くなったり、急に葬儀の日程が入ったりしたために、前橋の挨拶回りは予定の軒数に届かなかった。明日も朝から地元に入る。今日の分を埋め合わせないと。

 

 以前のレポートに書いた。来年の参議院選挙は、「安倍内閣」の(というより自民党の)命運を左右する戦いになる。あらゆる状況から見て「勝てる見込みがない」と判断される候補者がいるとすれば(たとえ現職であっても)より可能性のある候補者に「差し替える」のが当然だ。もし、安倍総理が最終的な「候補者調整」(差し替えも含む)について大鉈を振るうというなら、(誰が何と言おうと)「全面的」に支持したいと思う。

 

 ただし、すでに党の公認を得た現職候補を差し替えるにあたっては、次の4点について注文をつけておきたい。これは、「候補者の差し替え」を安倍総理に強く働きかけている官邸、党内、そして閣内の「安倍側近グループ」の方々にぜひとも読んでいただきたいレポートだ。

 

 まず第一に、「候補者差し替え」の戦略的目標を明確にする必要がある。「差し替え」は、来年の参議院選挙で議席を減らさないようにする(=過半数を維持する)ことが目的なのか?それとも、参院自民党から「候補者決定」の主導権を奪いとる(=参院の聖域化を解消する)ことが狙いなのか?あるいは、その2つの目的を同時に達成しようという試みなのか? どこにポイントを置くかによって「戦術」が変わってくるはずだ。もし、「参院自民党との権力の二重構造」を是正することが目的なら、それは(「復党問題」と同様に)参院自民党執行部との「全面対決」を意味する。どこまでの覚悟で、何を達成するのかをハッキリさせておかないと、「参院の勝負師」(青木会長)を打ち破ることは出来ない。

 

 第二に、参院側と対決しても「候補者を差し替える」という方針を打ち出すなら、腹を括ってやって欲しい。最後まで妥協せずにその方針を貫いてもらわねばらない。「候補者調整は総理が主導する」とぶちあげておいて、参院から押し返されたり、安易な妥協をしたりしたら、安倍総理のイメージがかえって傷ついてしまう。それが「復党問題」や「道路特定財源問題」のレッスンでしょう。安倍首相に「参院に手を突っ込むべきだ」と進言するなら、責任を持って(身を挺して)総理を守っていただないといけない。「正規軍」がその覚悟で突っ込むなら、「山本友軍」も最前線で露払いをさせてもらう。

 

 第三に、現職の候補者をすげ替える場合には、「説得力のある理屈」を示して欲しいということだ。いったん党に公認された現職候補者を交代させるというのは、実は容易な作業ではない。各選挙区の候補者の公認を実施的に決めたのは、党本部に公認を申請した「各県の自民党県連」だからだ。この決定を覆すためには「かなりの理由」が必要だ。選挙は「生き物」だから、事前の「世論調査」の数字だけでは、分からない面がある。党の世論調査のデータはもちろんのこと、「この候補者では勝てない」ことを証明する材料をちゃんと公開するべきだろう。いずれにせよ、「差し替えの基準」を作るのは難しい。最後はトップの判断しかない。

 

 第四に、「差し替え」ようとする現職候補者の性格や選挙区事情をよく調べておくべきだ。たとえば、山本一太が公認を外され、他の候補者が代わりに公認されたとしよう。納得出来る理由(自分では選挙に勝てないという具体的なデータ)があれば、率先して党の方針に従う。が、しかし、公認取り消しの理屈が不透明で納得のいかないものだったら、自分は無所属でも立候補するだろう。そうなったら、自らが当選するためではなく、「新たな自民党公認候補」を倒す(刺し違えて相討ちに持ち込む)ことだけを考えて、死に物狂いで闘うに違いない。すげ替えようとする候補者がこの手のタイプだとすると、自民党系が「共倒れする」危険性がある。もっとも、口では偉そうな(激しい)ことを言っていても、実際はてんで「意気地のない」政治家もいる。そこらへんをよく分析してもらいたい。

 

 まだ自民党の候補者が決まっていない県については、「公募で選ぶ」という流れになりつつあるようだ。が、メディアはすでに「参院側の反発を抑えて、弱い現職を差し替えられるかどうか」に焦点を絞っている。言い換えれば、ここを「勝敗の分かれ目」として捉えている。候補者の決まっていない県で公募候補が登場したとしても、それだけで安倍政権の大きな得点になるとは考えにくい。ふう、ここでも同じ壁に突き当たる。要は「参院自民党、いや青木会長と全面対決出来るかどうか」ということなのだ。

 

追伸:午後11時20分。東京の部屋でキーボードを叩いている。上記の「第三に...」からは帰宅後に書いた。さてと、腹筋と腕立て伏せタイムだ。続きは次回のレポートで。




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