12月5日:パート2




 午後7時30分。新潟から東京に向かう新幹線の車中でパソコンを開いた。新潟の「朱鷺メッセ」で行われた全国旅館連盟青年部全国大会の懇親会には、約1000名の旅館・ホテル関係者が集まっていた。乾杯の後で、短くスピーチした。「21世紀のリーディング産業は観光。観光政策に熱心な安倍総理に働きかけて、ぜひ、『観光・文化省』を作りましょう!!」 会場で多くの知人や友人に会った。群馬県のテーブルにも足を運んだ。「一太さんの来年の参院選挙は、全力でやります!!」 皆、そう言ってくれた。ああ、無理して足を運んだ甲斐があった。

 

 新潟県「女将の会」のメンバーがこう声をかけてくれた。「一太先生には、2年前の中越地震の時に本当にお世話になりました。政府への支援のお願いで上京した新潟女将の会に同行して総理官邸まで行ってくださいましたよね。官房長官との面会にも最初から最後までつき合っていただいて。あの時のことは、私たち、忘れていません。来年の選挙では、新潟から女将グループがかけつけますから、ね!」 ふうむ。新潟県の人って(群馬県人と同じくらい)義理堅くて、温かい。旅館連盟の幹部たちとも話をした。あるエピソードで持ち切りだった。「全く、あきれたもんですね」と口々に話していた。え? 内容は...やめておこう。(笑)

 

 昨日、郵政民営化に反対して党を離れていた「郵政反対組」の11名が正式に「復党」した。何度もここに書いているように、個々の「反対組メンバー」には何の恨みもない。自分にとって重要なのは、「復党を認めるか、認めないか」という1点だった。安倍総理が、世論の反発を覚悟の上で「復党」を認める決断をした。総理の決定で戻ってきた人々と、今更「角を突き合わせても」何の意味もない。政治の筋としては、昨年の郵政民営化選挙の自民党公認候補として当選した議員が、次回の選挙でも優先されるべきだと思う。が、かと言って、「ここの選挙区調整は、こうでなければならない」とか、「この人は許せるが、あの人はダメ!」みたいな話に首を突っ込むつもりは毛頭ない。今日の午後、議員会館事務所から委員会室に向かう途中で、2人の復党議員と遭遇した。まっすぐ相手の顔を見て会釈を交わした。

 

 安倍首相の「側近グループ」が、復党のダメージを埋め合わせる戦略をいろいろと練っていると聞いた。世耕首相補佐官も、井上総理秘書官も、何とか安倍内閣の清新なイメージを壊さないようにと腐心しているようだ。が、現時点では、あまり焦る必要はないと思う。むしろ、無理して「逆転ホームラン」を狙ったり、不用意な「リカバリーショット」を打ったりするのは、「支持率低下」という傷をかえって広げかねない。そんな気がする。

 

 残念ながら、「道路特定財源の一般財源化」という問題は、安倍内閣の高得点になるほどの「抜本改革」にはなりにくい気配だ。安倍政権の支持率は、来週の各メディアの世論調査でさらに下がるだろう。場合によっては4割を切る場合だってあるかもしれない。が、たとえそうなっても、ガタガタする必要はない。本当の「反転攻勢」は、恐らく支持率が4割を切ったところから始まる。今国会では、自民党結党以来の悲願だった「教育基本法の改正」や、長年の懸案だった「防衛庁の省昇格の法案」の成立に向けて、与野党が活発な議論を展開している。安倍首相が(落ち着いて)ひとつひとつの実績を積み上げていけば、内閣支持率(国民に対する求心力)は着実に回復していくと思う。

 

 今日、小泉前総理の議員会館事務所で飯島秘書官に会った。飯島氏の経験を聞きながら、改めて思った。「なるほど、メディア戦略などというものは、あくまでも脇役に過ぎない。メディア対策をうまくやれば、支持率が上がるというのは正しいようで、ちょっと違う。本末転倒の考え方だな」と。小泉首相の支持率が最後まで落ちなかったのは、メディア戦略が上手かったからではない。小泉首相自身に(振り付けによって倍増する)「メッセージ力」があったからだ。

 

 小泉前総理と安倍現総理の両方を応援してきた自分にはよく分かっている。小泉さんは「偉大な変人」にして「政治的天才」だ。小泉首相だから出来ること(=安倍総理には出来ないこと)はもちろんある。が、同様に、安倍総理にあって、小泉首相にないものだってあるのだ。安倍総理が政権発足後の最初の「乱気流」を乗り切り、安倍カラーを全面に出して着実に実績を上げていけば、安倍首相の魅力や潜在力は必ず開花する。安倍首相にそれだけのものがなかったら、政治生命を賭けて応援なんかしなかった。だからこそ、安倍総理には(あまり長老グループに遠慮せず)思う存分、本当にやりたいことをやって欲しい。パッション(情熱)を持って自らの考えを語り、安倍ビジョンの実現を妨げる勢力とは正面から戦ってもらいたい。安倍総理、自信を持ってください!自民党に安倍首相の代わりなんていないんですから。安倍総理が「捨て身の覚悟」で走り出せば、その迫力は回りの記者たちにも伝わる。手の込んだマスコミ対策なんて必要ない。

 

 ちょうど大宮駅に着いたところ。あ、パソコンの電源が切れかかっている。続きは次回のレポートで。

 

追伸:新潟は雨模様の天気だった。新潟駅に向かうタクシーの中で地元の運転手が言った。「もうこの季節になると、新潟はほとんど雨か、雪なんです。時々、曇りの日もあるけど、ね。」 その話を聞きながら、「冷たい雨なら、いっそのこと雪のほうがいい」と思った。どんな世界でも「中途半端」が一番よくない。「安倍側近」を任ずる政治家たちの、何と中途半端なことか...。




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