11月26日:パート3




 午後9時。青山付近のカフェでキーボードを動かしている。え?紅茶を飲んでいるのかって? 当然でしょう。今回はアールグレーを選んだ。(次はダージリンにしよう。)ああ、ちょっと好きだな。こんなひとりの時間が。

 

 さて、「直滑降」にも何度となく書いた。自分は、現在の参院自民党のあり方は(いろいろな意味で)「おかしい」と思う。こんな派閥談合と年功序列の古いルールにしがみついている組織が長続きするはずがない、どこかで変えなければいけない、とも。それでも、自分は参院自民党を牛耳っている青木幹雄議員会長と片山虎之介幹事長のことが(個人的には)嫌いではない。(*というか、嫌いになれない。むこうはさぞかし嫌ってると思うけど。(笑))誤解のないように言っておくと、この2人の「参院支配」が崩れないのは、参院自民党の国会議員たちが「羊のように大人しい」からではない。青木・片山コンビの政治家としての実力が、他の議員に比べて(残念ながら)「突出している」からだ。「駆逐艦・やまもと」が、まともに対峙したらとても太刀打ち出来ないこの2つの「戦艦・あおき」と「戦艦・かたやま」に(時として)反旗を翻せるのは、「いつ沈んでも構わない」くらいの「捨て身の覚悟」があるからだ。

 

 練達の政治家である青木氏と片山氏が、「早期かつ無条件の復党」を言うからには「それなりの理由」があるのかもしれないと思った。「郵政反対組を復党させなければ、来年の参院選挙の勝敗を握る『1人区』を勝ち抜けない」という理屈(明らかに間違っていると思うが)は、それはそれでベテラン政治家の政治的感覚と冷静な分析のもとで引き出された結論なのかもしれないとも考えていた。ところが、ここにきて、青木会長の発言のニュアンスが一変した。「早期復党を求めてきたのは、来年の参院選挙を有利にする(票を増やす)などという意図ではない。政治にも『情』が必要だということだ」という意味のことを言い始めた。これには(正直言って)耳を疑った。

 

 10月の初め。青木会長が安倍総理にこんな意味のセリフを投げたらしい。「参院と喧嘩するつもりなら、ここで決めてくれ!」と。(*事実だとしたら、ほとんど恫喝だ。)この言葉は、「復党させなければ、来年の参院選挙で過半数を守れない」という参院リーダーの使命感から出たものだと思っていた。が、もし、青木氏がこの時期の(しかも無条件の)復党に固執してきた理由が、「参議院選挙の対策」ではなく、「政治には情が必要だから」ということであるとすると、一般の国民(特に昨年の郵政改革選挙で自民党を支持した有権者)には、100%「理解不能」だと思う。

 

 万一、安倍総理が「国民の理解が十分に得られる形で」という条件が満たされていないと判断して「復党」を見送ったとしたら、それはそのまま「参院自民党(=青木議員会長)との全面対決」に直結する。そう考えていた。そして、自らの内閣の最重要事項と位置づける「教育基本法」を参院で人質に取られていることを考えたら、安倍首相にとって「青木会長からのプレッシャーをはねのける」のは並大抵のことではないとも書いた。が、もし、青木氏の議が「情」であるとしたら、このシナリオは成り立たなくなる。だってそうでしょ? 「総理が復党を見送るという『情のない決断』をしたのが許せない」などというロジックで、「教育基本法」のような重要法案を葬れるはずがない。そんな行為は国民の目から見て「単なる政治家のエゴ」としか映らない。ひとりの政治家の感情で「教育基本法改正」という自民党結党以来の悲願が潰されたとしたら、これは歴史に残る「恥辱」になる。

 

 あ、もうカフェが閉まる時間だ。続きは次回のレートで。

 

この直滑降レポー
トを応援していただける方は、blogランキングへ




「チャレンジャーに捧げる詩」の無料ダウンロードはmF247へ