9月27日:パート3




 午前零時10分。東京の部屋。眠い目をこすりながら、キーボードを叩いている。成田エクスプレスで東京に着いたのは午後10時半過ぎ。飛行機の機中でレポートを書いていたら、夕食をミスしてしまった。ああ、お腹が空いたなあ。

 

 本日(正確には昨日)のブログへのアクセスは約9200。ええと、「人気ブログランキング」をチェックしてみると、やった!「政治ランキング」の6位にランクインしている。「総合ランキング」でも、目標の100位以内(86位)に入った。これって、結構すごいことらしい。先ほど電話で話した友人のジャーナリストによれば、「このままここらへんの順位で高止まりすれば、一太さん、もう『ちびっこメジャーブロガー』の仲間入りですよ!(笑)」とのこと。もちろん、85位までに「政治家のブログ」はひとつもない。

 

 さて、今晩はとても嬉しいことがひとつあった。このエピソードは「いい話」なので、「直滑降」で紹介しても許していただけると思う。記憶がフレッシュなうちに「事実」を書きとめておこう。

 

 成田空港から東京駅に向かう列車の中で携帯電話が鳴った。安倍首相からだった。電波の状態が悪かったため(途中で切れたら失礼だと思って)、東京駅に着いてからかけ直すことにした。こんなメッセージが残っていた。「あ、山本さん。安倍晋三です。本当にお世話になりました。おかげさまで総理に就任することが出来ました。これからもよろしくお願いします。また連絡します。」

 

 東京駅に着いて時計を見ると午後10時40分。さっとタクシーをつかまえ、安倍総理の携帯に電話を入れてみた。これが留守電になっていた。安倍総理宛の30秒のメッセージを残した後、井上総理秘書官に連絡した。「あ、山本先生。本当にありがとうございました!」「井上さん、よかったですねえ。微力ながら一生懸命応援しますからね。ところで、安倍総理からわざわざ携帯に電話があって、折り返したんですが留守電でした。もう遅いので、明日にでも安倍総理に『山本一太から電話があった』ことをお伝えください。」「そうですか。総理は昨日、山本先生のことをかなり気にしてましたからね。ちゃんと伝えます!」

 

 タクシーに乗って10分もしないうちに、再び安倍総理から電話があった。次のような言葉を交わした。(*かなり正確だと思う。)




安倍:「あ、山本さん。安倍です。いろいろと本当にありがとう!何とか総理になれました。」

山本:「総理、先ほどは(電話をいただいたのに)失礼いたしました。総理就任、本当におめでとうございます。微力ながら、これからも一生懸命、応援させていただきます!」

安倍:「うん。ところで、今回は皆にいろいろと役職をあげて、一太さんだけには何もなくて、申し訳ないと思っている。また、いろいろな機会に...考えるから、ね。」

山本:「いや、総理。最初からそいうことは考えていませんので...」

安倍:「うん。分かってる。山本さんがポストのためにやってるわけじゃないってことは、ね。」

山本:「はい。ありがとうございます。」

安倍:「それから、全国遊説キャラバンも、あちこちで頑張ってくれて、ありがとう!他の議員の人たちも言ってるんだよね。山本一太は本当に大したもんだって。」

山本:「いや、あまり大したことはやってないんですが...」

安倍:「それと、時々は官邸に来てもらいたい、な。」

山本:「はい。(お言葉に甘えて)そうさせていただきます。」

安倍:「それじゃあ、また。これからも発信力を生かして応援してください。」

山本:「はい。微力ですが、しっかり頑張ります!!」

安倍:「地元の方々には、私がこう言ってたって、話してもらっていいから。」

山本:「分かりました。いろいろとご配慮いただいて、本当にありがとうございました!!」




 この電話は(期待していなかっただけに)本当に嬉しかった。安倍総理の言葉には一瞬、グッときてしまった。安倍さんて「本当に優しい人」だと思う。小泉さんだったら(それはそれでカッコいいんだけど)、絶対にこんな電話はくれないだろう。まるで、「本当は安倍チームに加えたかった」と言ってくれているようなものだ。そして、自分が「ポストは一切求めない&要請があっても受けない宣言』をしていなかったら、重要ポストに「抜擢されていた可能性」さえあったと勘違い(?)させられるような暖かいトーンだった。

 

 最後の「地元の方々には、この話をしていいから」というのも、安倍首相らしい心配りだ。つまり、「『あんなに安倍さんを応援したのに』と落胆する地元の支持者がいるかもしれない。その時は『ちゃんと総理に感謝されている』ことを伝えてもらいたい!」という意味だからだ。

 

 妻にこの話をしたら、ボロッと涙をこぼしていた。口には出さなくても、「この数ヶ月間、不器用な夫(笑)がどれほどのプレッシャーと戦っていたか」を分かってくれてるんだ、な。

 

 今晩のこの一本の電話は、安倍総理からもらった「最高の勲章」だ。(*しっかり「真空パック」にして心の中にしまっておこう。)安倍さんが「山本一太が苦しい中で声をあげ、決然と行動した」ことを評価し、感謝してくれていること、政治家としての自分の発信力や存在感を認めてくれていること、そして何よりも(たとえ1%でも)「安倍チームへの抜擢を真剣に考えていた」ことを(あえて)示してくれたからだ。

 

 安倍総理、最高のプレゼント、心から感謝します。私にとって「今晩の言葉」はどんなポストよりも嬉しい「贈り物」でした。来年の参院選挙まで、「一瞬たりとも気の抜けない」日々が続くと思いますが、「ポスト小泉の日本を引っ張っていけるのは自分しかいない」という気概を持って頑張ってください。「最強の素浪人」がついていることもお忘れなく!(笑)

 

追伸:

1.ああ、よかった。あそこまで頑にメディアやブログで「ポストはいらない。万万が一、要請があっても辞退する」と言い続けてきたのは間違っていなかった。そうでなければ、「優しい安倍総理」に「思わぬ非礼」を働くことになったかもしれない。

 

2.安倍総理のお言葉に甘えて、総理官邸にはしょっちゅう足を運ばせていただこうと考えている。ただし、総理を煩わせることは考えていない。総理の側近チームと連絡を密にしたい。




3.安倍首相の「他の議員の人たちも、山本一太は大したもんだと言ってるんだよね」という言葉を聞いてピントきた。安倍さんにこんなことを言ってくれるのは、「再チャレンジ議連」のメンバーに間違いない。恐らく、山本有二大臣と菅義偉大臣だろう。自分のポストのことだけで頭がいっぱいの政治家が多い中でさすがは「男気軍団」ですねえ。




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