9月19日:パート2




 午後10時。池袋東口近くの喫茶店の2階にいる。本日2カ所目の街頭アピール開始までには、あと1時間ある。朝食のパンはトースターの操作を間違えて黒焦げに。(笑)急いでいたので、結局、紅茶しか飲めなかった。ホットケーキでササッと栄養補給をすませてしまおう。

 

 さて、朝8時から約1時間、渋谷駅ハチ公前で街頭演説をやった。菅義偉衆院議員、片山さつき衆院議員、小林温参院議員、山内康一衆院議員が一緒だった。司会者だったので、自分のアピールは出来なかった。いったん充填したエネルギーは、池袋で放出する。

 

 さて、竹中総務大臣が議員辞職を表明したことについて、様々な批判があるようだ。たしかに「有権者によって選ばれたのだから、その責任(=任期6年)を最後まで全うすべきだ」というのは正論だろう。竹中大臣自身も、「その点については、自分に一票を投じてくれた国民の方々に申し訳ない」と率直に謝っている。が、それでも自分は竹中氏の決断を責めることはしたくない。「潔い」とさえ感じる。全く同じ立場だったら、きっと同じ行動を取ったと思うからだ。

 

 竹中氏の議員辞職は、選挙に出て当選はしたものの、「途中で嫌になって放り出した」どこかの無責任な有名人のケースとは全く違う。与えられた職務に全力を尽くし、十分な責任を果たした上での勇退だ。何も参議院議員の任期が終了するまで国会にとどまることが、有権者への責任を果たすことだとは限らない。6年間やっても「何も実績を残せない」無能な政治家だっている。それに比べたら、ここ数年、「バッジをつけた竹中氏」がやったことは、普通の参院議員の(大袈裟ではなく)10年分の価値がある。

 

 今から5年前。竹中平蔵氏が民間人として小泉内閣の閣僚に登用された。国会や委員会、そして自民党の部会でも、(特に小泉改革に反対する議員たちから)「国会議員でもないヤツに何が分かる!」とか、「政治家でない人間にこんな重大な判断をゆだねていいのか!」などというバッシングが容赦なく浴びせられた。こうした竹中批判が最高潮に達していた頃、仲間の若手議員に声をかけて「バンブーランチョン」(竹中大臣を励ます昼食懇談会)という会を立ち上げた。この5年間、小泉総理の命をうけて「構造改革」の先頭に立ってきた竹中氏が、永田町や霞ヶ関で一体どれだけの批判や中傷を受け、どれだけのプレッシャーに耐えて頑張ってきたか。実際に政治の現場で「小泉VS抵抗勢力」のバトルを目撃してきた国会議員でなければ、けっして分からないだろう。

 

 特に郵政民営化法案をめぐる竹中大臣への攻撃は凄まじかった。予算委員会や国会の答弁では、与党席からもヤジが飛んだ。特に、自民党郵政族の牙城だった「郵政改革関する合同部会」に数回にわたって呼び出され、集中砲火を浴びた。冷静沈着でタフな竹中大臣も、郵政民営化法案の最終攻防の舞台となった合同部会に引き出された時は、疲労で顔色が冴えず、少し手が震えていたようだった。

 

 それでも、竹中氏はあらゆる攻撃を切り抜け、実績を残してきた。財政再建路線を軌道に乗せ、不良債権処理に目処をつけ、郵政民営化実現のために奔走した。11年間政治家をやってきたが、竹中平蔵氏ほどプレゼンテーション能力の高い政治家には、ほとんど会ったことがない。5年間にわたって、あれほどのプレッシャーに晒されながら「職務を遂行出来る」精神力を持った国会議員なんて(小泉総理を除けば)1人も知らない。

 

 あ、窓から自民党の遊説カーが見える。スタート予定時間までは、あと20分ある。もう一杯、熱い紅茶を飲んで、それから出撃します!!竹中大臣の件については、その3に続く。




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