9月15日:パート2




 政治とは「変化する生き物」だ。政局はめまぐるしく変わり、政治情勢は1日でひっくり返る。昨日の敵は今日の友になる。この間まで攻めていると思ったら、いつの間にか守勢に回っている。そういう変化についてこれない感覚の鈍い人間にかぎって、政界の有力者たちに「ピント外れ」のご注進をしたりする。悪気はないと思うんだけど...困ったものだ。

 

 麻生太郎候補が立ち会い演説会や討論会等で得点を重ねている。少しずつポイントを伸ばしてきた。もちろん、「安倍氏の圧倒的優位」を脅かすまでには至っていない。9月20日に安倍総理が誕生することは「ほぼ確実」な情勢だ。安倍晋三氏の戦いは「総理就任直後」から始まる。党内のアンチ安倍勢力、野党、マスコミは(ある意味で)「手ぐすねを引いて」待ち構えている。政権発足直後から様々な攻撃(もしかすると一斉砲火)が始まるだろう。「安倍チーム」のメンバーだって狙われる。何発かは被弾するかもしれない。いわゆる「側近」の皆さん、覚悟を決めて支えてください!(逃げたら承知しない!!)そのかわり、山本一太が外から全力で援護射撃します!!




 午後5時から「熱血遊説キャラバン」の一環として、浅草の雷門前で街頭に立った。東京都選出の松本洋平衆院議員、有村治子参院議員等が一緒だった。演説会終了後、自民党街宣車の前でCNNのインタビューを受けた。「なぜ、安倍さんが小泉総理の後継者としてふさわしいのか?」「安倍氏は対中強行派と見なされているが、どうやって日中関係を立て直していくのか?」次々に飛んでくる英語の質問に(下手な英語で)必死で応戦した。

 

 永田町から浅草に向かうタクシーの中で、竹中平蔵総務大臣の秘書官に電話した。「あ、00さんですか?竹中大臣が小泉総理勇退に併せて議員を辞めるという話、聞きました。本当にいろいろとご苦労様でした。」「あ、一太先生。本当にお世話になりました。今、竹中大臣にかわります。」

 

 というわけで、竹中平蔵大臣と次のような短い会話を交わした。

 

山本:「あ、竹中大臣ですか? 参議院議員を辞職する件、ニュースで拝見しました。いかにも竹中大臣らしい(潔い)判断だと思います。本当にお疲れ様でした!」

竹中:「いやいや、一太先生には、郵政民営化をめぐる戦いの時も、金融問題でも、いつも応援していただいて、とても感謝しています。」

山本:「以前にも言いましたが、竹中大臣は『政治家以上』の仕事をされたと思います。郵政民営化法案の攻防の時も、普通の政治家ではとてもあのプレッシャーに耐えられなかったと思います。まさに、小泉改革を身体を張ってささえてこられたことに敬意を表します。」

竹中:「これでまた、自由にものが言える立場になりました。民間に戻っても、改革のためにいろいろ力を尽くしたいと思います。これからも、一緒にいろいろといいことをやりましょう!!」




 小泉勇退とともに政府を離れるというのは、最初から決めていたことらしい。小泉総理と相談の上、このタイミングになったのではないかと思う。小泉首相の命を受けて「構造改革」の先頭に立ち、常に矢面に立って批判を浴びてきたのが竹中氏だった。それだけに国会議員からの反発もきつかった。そんな中でも、自分は一貫して「小泉改革を支える竹中弁慶」にエールを送ってきた。ソフトムードを演出しつつ、実質的には「一歩も」引かなかった。巨額の不良債権処理に目処をつけた手腕は見事だった。後々まで語りつがれる大きな業績だ。

 

 総裁選挙が終わったら、どこかで時間を作ってもらう約束をした。改革派の仲間と一緒に、これまでの労をねぎらいたい。改めて言います。竹中大臣、5年間、本当にご苦労様でした!!

 

追伸:小泉政権の5年間、小泉改革を主要閣僚として支え続けた「華々しいキャリア」を引っさげて、竹中平蔵氏が「ボヘミアン生活」(笑)に復帰する。安倍政権にとっても、(いい意味で)かなりうるさい存在になるだろう。改革の「ウォッチドッグ」として、これからもガンガン発信を続けていただきたいと思う。