9月15日:




 午前8時30分。党本部近くのカフェでベーグルとロイヤルミルクティーの朝食をとった。午前7時からの「吉田たかよしプラス」では、小沢一郎ビジョンについて民主党の浅尾慶一郎参院議員(電話)と議論する形だった。浅尾氏とのやり取りは実質、12分程度(?)だった。短すぎてディベートにならなかった。小沢氏の農業政策は明らかに「バラマキ」だ。が、(浅尾氏が指摘したように)「ウルグアイラウンド対策費6兆円」の使い道については、明らかに反省すべき点があると思う。

 

 昨晩のパーティーでのライブでも熱心にカメラを回していたオーストラリアのテレビ局(ABC:日本でいうとNHK)が、文化放送のスタジオまで取材に来た。ラジオ出演後に別室でインタビュー。安倍氏の人柄やスタイルについて(下手な英語で)コメントした。

 

 さて、今日は久々の東京日程。少し余裕のある日程の中で、たまっていたミーティングをこなす。午前から午後にかけて、NHKの解説委員、ワシントンポストのジャーナリスト、地元紙の記者が次々に会館にやってくる。そうそう、候補者差し替えの「安倍発言」に関するテレビのインタビューもあった。午後4時から再チャレンジ議連の幹事会に顔を出し、午後5時からはキャラバン隊による浅草雷門前の街頭演説に参加する。終了後、CNNのインタビューを(これも下手な英語)受け、夜は東京都内で2つのミーティングが待っている。「恒常的寝不足」のサイクルが戻ってきてしまった。どこかで20分でも休まないと。

 

追伸:

1.ラジオというメディアにとても興味がある。「吉田たかよしプラス」のレギュラーコメンテーターになれたことは、かなりハッピーだ。が、毎週金曜日の午前5時に起きて、午前6時にハイヤーに乗り、午前7時から実質的に「10数分のコメント」をやるだけでは、どうも「費用対効果」がよくない。たとえ10数分でも、もう少し「自分らしいインプット」が出来ないだろうか。近いうちに、番組スタッフと相談してみよう。




2.安倍官房長官の「参院選挙候補者の差し替え発言」が党内に波紋を広げている。次の総理になることが確実視されている安倍氏の言葉だけにインパクトが大きい。世論調査の結果だけで、候補者の適否を判断する、すなわち「各県連の判断で公認した候補者」を差し替えるというのは難しい面もあるだろう。が、「誰が見ても勝てない」と思われる候補者を擁立するのは愚の骨頂だ。(前々回?のレポートでも書いたように)自分は安倍氏の考え方を支持したい。リーダーにこのくらいの覚悟がなければ、参院選挙は勝ち抜けない。9月以降、もし安倍自民党から「山本一太は勝てる可能性が低い」と判断された場合は、率先して候補者のイスを「もっと強い候補者」に譲らねばならない。そう覚悟している。




 具体的な「差し替え」の基準を決めるのは難しいとしても、「安倍発言」は次の2つのメッセージを発した点で意味があったと思う。ひとつは、安倍総理になれば「古いコンセンサス型政治が戻ってくる」「党内の実力者の言うことを聞く」みたいな幻想を吹き飛ばしたこと。もうひとつは、来年の参議院選挙に出馬する候補者に「緊張感」を与えたことだ。

 

 安倍さんは小泉さんとは違う。義理堅くて、優しいところがある。小泉総理のようには「非情になり切れない」部分(ここが魅力でもあるが)がある。党内にあえて抵抗勢力を作り、強引に正面突破をはかっていくようなタイプではない。が、安倍さんのタッチが小泉総理と似ていようが似ていまいが、安倍新総理は「既得権益を復活させようとする勢力」「旧来型の政治システムを復活させようとする勢力」(いわゆる「復古主義集団」)と戦っていかねばならない。

 

 「差し替え発言」をめぐる今回の安倍氏と参院自民党執行部との軋轢は、「偶然の所産」ではない。安倍総理は「古い自民党からの決別」を掲げている。政治手法がどう変わろうと、ポスト小泉は「対決の避けられない局面」になる。安倍氏と参院自民党執行部の対立はそのことを象徴する出来事なのだ。