午後10時30分。東京の部屋。パソコンの横には熱い紅茶の入ったティーカップがある。ふうむ。ダージリンティーも美味しいが、アッサムティーも悪くない。

 

 本日も、終日、新盆の支持者宅を回った。訪問予定先のリストを消化するためには、ゆっくりお茶をいただいている時間もない。それでも、一軒一軒、心を込めて焼香し、遺影に手を合わせた。

 

 選挙区を移動中の車の中で、何度も携帯が鳴った。「小泉総理は明日、靖国神社に参拝すると思うか?」というマスコミ関係者からの問い合わせだった。「うーん。8月15日に行く可能性が高いと思います。が、とにかく総理が誰にも相談せずに自ら判断することでしょうから、確実とは言えませんね」と答えた。靖国といえば、明日の夜、日本テレビの「NEWSリアルタイム」(ここが分からんコーナー「靖国参拝」)の収録に参加する。(*放送は翌日16日の午後5時20分から15分程度とのこと。)明後日16日の朝はテレビ朝日「スーパーモーニング」にも出演することになった。小泉総理の靖国神社参拝というより、「小泉首相研究シリーズ」の一環のようだ。議論の相手は荒井広幸衆院議員だと聞いていたが、どうもダメになったらしい。「小泉宰相論」をめぐる山本VS荒井の対決は幻に終わった。残念!!

 

 明日は朝の新幹線で高崎へ。護国神社にお参りした後、午前11時50分から前橋市の「ぐんまアリーナ」で行われる「群馬県戦没者追悼式」に出席する。群馬県選出の国会議員は、ほぼ全員が出席するはずだ。




追伸:小泉総理大臣がもし8月15日に総理として参拝したとしたら、1986年の中曽根総理以来、20年ぶりのこととなる。が、たとえ、総理の参拝があったとしても、「小泉参拝」を織り込み済みの中国政府は(批判のコメントは出すだろうが)過剰反応はしないと思う。この問題について、中国側は9月に勇退する小泉首相との交渉をすでにあきらめているからだ。




 小泉総理が靖国神社参拝を続けていることについて、自分は「これを支持し、理解する」という立場を取ってきた。が、ひとつはっきりしていることは、小泉総理が今回どんな行動をとろうとも、ポスト安倍のリーダー(恐らく安倍首相)はこのことに全く縛られる必要がないということ

だ。

 

 仮に安倍内閣が誕生したとして、安倍総理は靖国神社を参拝するだろうか、それとも参拝を控え

るだろうか。それは安倍さん自身にしか分からない。が、そこは、ニューリアリスト(戦略的協調主義者)である安倍さんのこと。恐らく小泉首相と「全く同じ姿勢」でこの問題に対応することはないだろう。首相の靖国参拝の是非は、外国(中国や韓国)に言われて決めるようなことではない。日中関係は「靖国問題」だけで成り立っているわけでもない。が、日本の対東アジア外交のネックになっていることも事実だ。他方、中国側にも靖国問題にいい加減、決着をつけたいという気持ちがある。日中双方の指導者が国益のために政治的リスクをとり、「靖国問題」を凍結するためのギリギリの解決策(妥協?)を模索する以外にはない。

 

 ふむ。日中両首脳間の具体的な「歩み寄りのメニュー」を考えても、なかなかヒントは見つからない。「歴史認識」がからんでいる問題だけに「完全な解決」などというものはあり得ない。要はどうやって「凍結」するか、だ。考えれば考えるほど、日本と中国双方の顔が立つような東洋的な合意?(玉虫色の解釈?)しかないのではと思ってしまう。答えは「国立追悼施設」と「A級戦犯の分祀」との間にある??そんな気がしてならない。






なぜいま安倍晋三なのか

  • 作者: 山本 一太
  • 出版社/メーカー: リヨン社
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本