午前8時。党本部近くのカフェで朝食をすませた。熱いロイヤルミルクティーをすすりながら、本日2本目のレポートに取りかかっている。午前9時からは党本部の「野菜・果樹・畑作物等対策小委員会」に出席する予定だ。

 

 「直滑降レポート」を苦々しく思っている一部の長老議員が、「山本一太は表に出すなと約束したことまで全部書いてしまう」などというウソの噂を流していると以前のレポートに書いた。もちろん、これは不正確な情報だ。(*別に気にしてないけど。)「直滑降」に書きたくても、書かないこと、書けないことは山ほどある。たとえば、安倍官房長官や井上秘書官と電話で交わした会話の内容なんて、いちいち書いたりしない。せいぜい、「00氏に会った。何を話し合ったかは書かない」と記すくらいのものだ。が、今回は安倍さんの人柄をアピールするために、あえて紹介させてもらう。3日前のレポートにある「とてもいいこと」とは、実は安倍長官との短い電話のことだった。

 

 3日前の夜。都内某私立大学の生涯学習センターでの講義を終えてタクシーを拾った。ふと気がつくと、安倍長官からの着信が残っていた。急いで携帯に電話を入れると、すぐにつながった。

山本:「あ、安倍長官。山本一太です。お電話をいただいたようですが。」

安倍:「うん。あの明治大学の講義、お世話になりました。学生にすごく人気があったんだってね。」

山本:「ええ、とにかく一生懸命やってきました。」




 安倍さんが官房長官に就任する前に約束していた明治大学での講義シリーズを、4、5名の若手・中堅議員で埋め合わせた。山本一太の担当は「外交/安全保障」だった。5月の連休前に2週続けて明治大学のキャンパスを訪れ、それぞれ90分の講義をやった。半分は「政治漫談」だったが(笑)、受講生の反応はかなり良かったらしい。第一回の講義では自民党総裁選挙にも触れ、「安倍氏の外交姿勢」(ニューリアリスト哲学)について説明した。この授業を担当した安倍長官と旧知の大学教授が、「いや、山本さんの講義は大好評だった」と安倍長官に話してくれたに違いない。

 

 一瞬の沈黙の後で、安倍長官がこう続けた。

「それと、あの本(「なぜ、いま、安倍晋三なのか」)だけど、読みました。いろいろ褒めていただいて、恐縮です。なんか、すごく評判がいいんだってね!」

「ええ、あの本を読んで『安倍さんの良さが分かった』という人が結構いるようなんです!」と間髪を入れずに答えた。




 安倍長官のこの短い言葉は、本当に嬉しかった。(これ以上のプレゼントはない!)「評判がいいらしいね!」と安倍長官が言ってくれたということは、あの本を読んだ安倍さんに近い人々(地元後援会関係者か、政治家か、経済人か、マスコミ関係者かは分からないが)が、「ポジティブな情報」を本人の耳に入れてくれた(=いい反応が耳に入った)ということに他ならないからだ。これだけでも、睡眠時間を削って奮闘した甲斐があった。ね?皆さん。なぜ、私が10年前からずっと安倍晋三という政治家を応援し続けてきたのか、その理由が何となく分かってもらえるでしょう?!

 

 ある情報ソースによると、安倍晋三官房長官のもとには「一部のベテラン議員」や「嫉妬深い同僚議員」から、(連日のように)「山本一太の突出した応援はあなたのためにならない」とか、「あれでは逆にマイナスだ」とか、「贔屓の引き倒しになってしまう」とか、「あんな行動はやめさせたほうがいい」などという忠告や意見が舞い込んでいたようだ。(*ここにきて少し下火になっているようだけど。)安倍長官としては、(もしかすると)「やれやれ、党内であまりハレーションを起こさないようにしてもらいたいな」と思う場面もあったかもしれない。(*特に「テーマソング」は強烈すぎたかも。少し反省している。(笑))

 

 にもかかわらず、安倍さんは(どんなに偉い人々から文句を言われようが)ただの一度として「迷惑だ」とか、「発言を控えてほしい」などと自分に言ってきたことがない。これが安倍晋三という政治家の「包容力」なんです。頼まれてもいないのに「実力者の印象をよくしようと奔走する」そこらへんの「こざかしい政治家」とは、全く違う。だから、山本有二さんが「チャレンジ議連」の会長を引き受ける。菅さんだって、反発覚悟で「安倍支持」を打ち出す。下村さんだって「最後は派閥を割っても」と言う。安倍さんの「人間的魅力」が派閥横断の支持を生み出している。




 加えて、安倍さんは、「山本一太にはそれなりの発信力がある。一人の政治家の覚悟の行動は、国会議員に反発は受けても、一般国民にはアピールする部分がある」(*そうでなければこんなに本が売れるはずがない)ということを「直感的」に感じ取ってくれているのだと思う。(と、勝手に思い込んでいる。(笑))

 

  「山本一太の応援は安倍長官のためにならない」とか、「あんなに突出したらかえって逆効果」などという意見を「したり顔で吹聴している」政治家たちに言いたいセリフはひとつだけだ。「ちゃんちゃらおかしい!!」なぜ、そう思うかは次回のレポートで。あ、もう午前9時10分か。急いで党本部の会議に行かないと。