午前8時。東京駅で新幹線をキャッチした。外は雨。「文明の利器」は選挙区に向かって無頓着に走り続けている。政治家になって11年。新幹線に乗ったのは何回目になるだろう。「新幹線レポート」にも番号をつけたら面白いかもしれない。

 

 本日未明から朝にかけて、安倍官房長官の「美しい国へ」を第3章まで読んだ。「感想」は全部読み終わった後に書くことにして、本の帯にも使われている「前書き」(「闘う政治家」「闘わない政治家」)の次の一文は、安倍晋三という政治家の本質を表す言葉だと思った。

 

 『わたしは政治家を見るとき、こんな見方をしている。それは「闘う政治家」と「闘わない政治家」である。「闘う政治家」とは、ここ一番、国家のため、国民のためとあれば、批判を恐れず行動する政治家のことである。「闘わない政治家」とは、「あなたのいうことは正しい」と同調はするものの、けっして批判の矢面に立とうとしない政治家だ。(中略)わたしは、つねに「闘う政治家」でありたいと願っている。』

 

 なるほど。安倍さんと自分の「政治家の好み」は(全く同じではないが)「似ているところ」もある。私も「闘うタイプの政治家」に魅力を感じるからです。ここにも何度か書いたが、「やけにスムーズで要領のいい政治家」とか、「口ではカッコいいことをいいながら肝心な場面になると必ず逃げる政治家」は、どうしても好きになれない。最悪なのは、「権威に立ち向かっているかのようなふりをして、自分だけは『ちゃっかり実力者の覚えがいい』みたいな」調子のいいヤツだ、な。なるほど、「処世術」(ポストをせしめること)はうまいのかもしれない。が、「うまく立ち回ることばかり考えている政治家」は、自分にとって「カッコ悪い政治家」以外の何者でもない。

 

 ほとんど雲を突き抜けて宇宙までいっちゃっている感じ(笑)の小泉総理、北朝鮮外交で信念を貫いてきた安倍長官、JBIC問題で共に財務省と闘った敬愛する武見敬三参院議員、ドンキホーテと批判されながらも総裁選挙出馬を表明した河野太郎衆院議員、台湾問題で外務政務官を辞職した水野賢一衆院議員、こうと決めたら反対を押し切っても中央突破をはかる菅義偉衆院議員、どんな大物にも物怖じぜずモノを言う中野正志衆院議員、多数意見に流されず持論を展開する大村秀章衆院議員、最後まで郵政民営化反対を貫いて離党した荒井広幸参院議員、ゼロから道を切りひらいてきた菅原一秀衆院議員等々…。ね、こうしてみると、自分が好きな政治家は皆、「反発を恐れずに突き進むサムライ」ばかりでしょう?!

 

 「美しい国へ」を最後まで読んだ「リヨン社」の担当者から電話があった。「あの本、いいですね。一太さんの著作とオーバーラップしていないし、きっと相乗効果になりますよ。2冊まとめて読んでもらえると、安倍さんの政治家としての姿がよりハッキリ分かるんですけどねえ。(笑)」

 

 ポスト小泉の最有力候補が書いた「美しい国へ」は、「なぜ、いま、安倍晋三なのか」の何十倍も売れるにちがいない。「こらこら、便乗はいけませんよ!(笑)」と叱られてしまうかもしれないが、「美しい国へ」を読んだ人には、ついでに(?)「なぜ、いま、安倍晋三なのか」も解読して欲しいと思ったりする。書店に並べて置いてあったりすると、嬉しいのですが。(笑・笑)

 

 あ、また「本」のことを書いてしまった。(*しばらくは、なるべく「控える」ようにします。)間もなく高崎駅。続きは次回のレポートで。

 

追伸:アマゾンを「安倍晋三」で検索すると、安倍さん関連の本が4,5冊、ずらりと表示されるらしい。「ちゃんと一太の本も入ってた。読者の評価、悪くないぞ!」と友人が教えてくれた。