午後11時。草津温泉の某ホテルの一室でパソコンの電源を入れた。午後6時から亡くなった地元秘書のお通夜が吾妻町のセレモニーホールでしめやかに行われた。親族と一緒に焼香し、弔問に訪れた方々を見送った。明日の午後、同じ場所で葬儀が行われる。喪主(夫人)に代わって、挨拶をすることになるだろう。それにしても、61歳は若すぎる。地元の第一秘書を失ったことは、来年の選挙を戦う上では計り知れない痛手だ。心の優しい、とても我慢強い人だった。残念としか言いようがない。

 

 さて、午後に総理官邸を訪ねた。小泉首相の(総理としての)最後の訪米に同行し、帰国したばかりの飯島総理秘書官と会った。秘書官室の奥にあるいつもの(ドアのない)応接室でお茶を飲みながら40分ほど懇談した。久々の「アイ・ワイ(飯島ー山本)懇談」だった。主な話題は総理の米国出張。特に「大統領専用機」(エアフォース1)の話題で盛り上がった。やはり総理訪米ミッションに加わった丹呉秘書官や岡田秘書官も、途中から「アイ・ワイ懇」に合流した。丹呉秘書官の、「まあ、エアフォース1は、(ひとことで言うと)『空を飛ぶホワイトハウス』なんですよ!」という言葉が印象的だった。

 

 驚いたのは「エアフォース1」の中で、ブッシュ大統領と小泉総理が約2時間、2人だけで(通訳は入っていたようだが)過ごしていたという事実。米国大統領とサシで2時間話すなんて、普通ならちょっと考えられない。(*こんなことが出来るのは、せいぜい英国のブレア首相くらいだろう。)今回の小泉総理の訪米日程のために、ブッシュ大統領は約8時間を割いたと言われているらしい。この2人、本当に「気が合う」としかいいようがない。

 

 ひとつ愉快なエピソードを聞かせてもらった。(*これは書いても怒られないだろう。)「エアフォース1」の中で小泉総理を迎えたブッシュ大統領が、総理の隣にいた飯島秘書官を見て、「おお、(日本の)カール・ローブだね!(笑)」(カール・ローブは大統領の側近)と言った。小泉総理がそれに答えて、「いや、違う違う。頭がアーミテージだ!(笑)」と返した。これには一同、爆笑だったようだ。飯島さんがポツリと言っていた。「いや、秘書になってよかったですよ。そう思いました。」

 

 そうだ。某フリーライターの取材は記事になるのだろうか? とにかくまず「掲載された内容」をちゃんと読む。それから「どう対応するか」を考えよう。