午後5時30分。赤坂プリンスホテルで行われた全国旅館生活衛生同業組合連合会主催の「観光立国推進全国大会」の懇親会に飛び込んだ。会場は全国から集まった2000名の旅館・ホテル関係者で溢れていた。後で聞いたところによると、100名以上の自民党議員が顔を出したらしい。




 




 中央のステージに並べられた椅子に座った出席議員が、1人1人司会者から名前を呼ばれて起立し、そのままステージの中央から会場(人混み)に降りるという演出だった。党三役や閣僚といった重鎮はその場でマイクを握り、短いスピーチをするという流れになっていた。




 




 「次は群馬県選出。お馴染みの参議院議員、山本一太先生です!」会場から(他の国会議員の3倍くらいの)大きな拍手と声援が巻き起こった。回りに座っていた同僚議員が、口々に「すごいなあ。やっぱり観光の山本だもんなあ」と声をかけてくれた。本当に嬉しかった。「ああ、議員連盟の事務局長はやめても、旅館の仲間はちゃんと分かってくれている」と思った。同時に、「そりゃあそうだ。永田町に自分ほど旅館やホテルの仕事に思い入れがある国会議員がいるはずがない!」という気持ちも湧き上がってきた。




 




 山本一太は草津温泉の老舗旅館「山田屋」の息子として育った。両親の苦労を見ているので、けっして儲かる商売だとは思わない。が、「旅館・ホテル経営ほど素敵なビジネスはない」と信じている。訪れる人に安らぎを与え、人生の思い出を演出し、出会いを作り出す。これほど満足感の高い仕事って、そうそうあるもんじゃないと思う。




 




 政界に入って以来、一貫して観光産業振興の問題に取り組んできた。「観光立国日本」を実現するための戦いの最前線で、各県の旅館・ホテル経営者と出会い、友情を育んできた。それだけに、どの議員が観光産業振興に熱心に取り組んできたのか、どの政治家が旅館やホテルの問題に汗をかいてくれたかを誰よりもよく知っている。会場で久々に会った各県の若手経営者とガッチリ握手した。皆、「来年の参議院選挙は全力で一太さんを応援しますよ。また、ボランティアで群馬に入るからね!」と言ってくれた。「ありがとう!その気持ちが何より嬉しい。苦しい戦いになると思いますが、ヨロシクお願いします!!」と答えた。旅館の経営者も女将も「一国一城の主」だ。偉い人たちから命令されたって、本気で選挙の応援なんかしない。真剣に努力してきたから、その「気持ち」が伝わっているから「シンパ」が生まれる。組織の幹部だけ押さえても「票」には結びつかない時代だ。




 




追伸:立食パーティーの会場で「群馬のテーブル」を見つけた。社長も女将も(いつものように)とても好意的だった。会場を出ようとしたところで、新潟県の旅館関係者につかまった。「新潟の女将の皆さんが、どうしても一太さんに会いたいって言ってるので、ちょっと来てください。」




 新潟県のテーブルで「元気のいい女将グループ」から「熱烈歓迎」を受けた。「一太さん。新潟の地震の時は、いろいろお世話になりました。本当にありがとう!選挙になったら、私たちで群馬に入ろうって話してるんですよ。」「一太先生。年よりずっと若く見える。テレビより実物のほうが可愛いわね。」などとチヤホヤ(?)されながら、写真撮影に応じた。




 




 そうだった。昨年の中越地震の後、新潟県内の旅館・ホテルの宿泊予約のキャンセルが続出。陳情のために東京を訪れた新潟の旅館関係者(女将の会)に同行して、官邸で細田官房長官に会ったことがあった。そう言えばあの時、陳情グループの代表から、「いろいろとお世話になりました。山本さんの親切は忘れませんからね!」と言われた憶えがある。ううむ。新潟の人って、律儀で誠実だ。