21日午後4時。 香港から東京へ向かうジャンボジェットの中でパソコンを開いた。 同じ列の左側の座席には、西村康稔衆院議員と増原義剛衆院議員が並んで座っている。 ふむ。 西村さんはスッキリした表情で新聞を読んでいる。 隣席の増原さんは(早くも)「爆睡」しているようだ。

 

 昨日20日。 参院予算委員会が開かれなかったため、予定より早い午前中のフライトで香港に飛ぶことが出来た。 増原議員と同じ便だった。 自民党(経済制裁シミュレーションチーム)の公式ミッションとして、香港・マカオにおける資金洗浄(マネーロンダリング)の実態を調査することが目的だった。 

 

 香港の空港に着いたのは午後3時。 ホテルの部屋で1時間ほど休んだ後、一足先にインドから香港入りしていた西村議員とホテルのロビーで合流。 領事館がアレンジしてくれた車で高層ビルの50階(?)にある日本領事館に向かった。 午後5時過ぎ。 日本領事館の会議室で総領事他との打ち合わせ。 香港・マカオにおける資金洗浄(マネーロンダリング)の現状について、領事館スタッフから説明を受けた。 そのまま市内の中華レストランに移動。 総領事主催の夕食会で、現地の邦銀関係者から色々な話を聞いた。

 

 翌朝21日は、午前6時50分にホテルのロビーに集合。 素早くチェックアウトを終え、昨日と同じ車でマカオ行きのフェリーが出る港に向かった。 領事館スタッフ2名が同行してくれた。 港で通関手続き(そうか、パスポートがいるんだな)をすませ、「高速フェリー」に乗り込んだ。 マカオまでの所要時間は、約1時間。 エコノミーとそれほど変わらない(?)スーパークラスの席で出された朝食(パンとフルーツ)が、結構、美味しかった。

 

 税関の外に、マカオ政府が用意したマイクロバスが待機していた。 そのまま「マカオ金融監督局」に直行。 午前9時から担当局長を含む関係者との会議に臨んだ。 マカオと北朝鮮との関係、マネーロンダリングの現状とマカオ当局の対策等について聞いた。 約1時間のミーティングが終わるや否や、再びバスに乗り込む。 フェリーの港に引き返す途中で一瞬、バスを降り、問題のBDA(バンク・デルタ・アジア)のビルを「アポ無し訪問」した。(*見たところ、ちゃんと営業している様子だった。) セキュリティーガードの厳しい視線を感じながら、急いでバスに帰還。 1時間ちょっと前に降り立ったばかりのフェリーの埠頭に向かった。

 

 香港の港から香港金融管理局のビルに直行。 昼から約45分間、今度は香港の金融担当者とミーティングを持った。 香港側からは、英国人の局長を含む4名が参加。 マネーロンダリングを含む不正な金融取引等に関し、「日本政府と香港当局との提携を強める必要がある」という点で一致した。 ミーティングを手際よくこなし、日本領事館のビルに移動。 午後1時から現地の邦人プレスを対象とした「記者発表」をやった。 午後1時30分。 領事館の会議室でランチ(弁当)を食べ、香港国際空港へ。 午後3時半の東京便をキャッチした。

 

 とまあ、ザッと言うとこんな日程だった。(*かなりせわしい滞在だった。) バンク・デルタ・アジア銀行の件を含め、マネーロンダリングの具体的なケースについては(さすがに)詳しい情報を得ることは出来なかった。 が、それなりの成果はあった。 特に、シミュレーションチームとして提案した「日本政府と香港及びマカオ金融当局との情報交換メカニズムの強化」に対しては、2つの金融当局から前向きな回答を得た。 帰国後、さっそく党幹部(幹事長及び幹事長代理)と政府担当者(官房長官)に視察の結果を報告し、チームの提言を手渡したいと思う。

 

追伸:「ええと、山本様。 食事は和食ですか? それとも洋食にいたしますか?」 「いえ、ちょっと食べ過ぎなので、要りません。 その代わり、暖かい紅茶をいただけますか。」 「ハイ、紅茶ですね。 分かりました。」 最近、運動不足のせいか、体重が1,2キロ増えた気がする。 機中食はやめておこう。