マスコミ報道によれば、「堀江メール騒動」を引き起こした永田寿康衆院議員(精神的疲労のため入院中)が今週にも記者会見を開くらしい。 メール問題について「公式に謝罪する」可能性があるようだ。 これが事実だとすれば、前原執行部にとっては「正しい選択」だと思う。 

 

 今回の「永田メール事件」への民主党の対応に関して、国民の目はかなり厳しい。 先日、タクシーの運転手がこんなことを言っていた。 「山本議員さんですよね。 私は二大政党論者なので、民主党には多少なりとも期待していたんです。 でも、今度の対応はいかにも歯切れが悪いし、潔くない感じがする。 やっぱりちゃんとした証拠を出さないのはおかしいですよ。 これじゃあ、とても政権なんか担当出来ないって、皆、そう言ってますよ!」 地元のある支持者は永田議員についてこう語っていた。 「永田さんて、一太さんより10歳以上も若いわけでしょう? それにしては、やることが古いよねえ。 だってそうでしょう。 何かスキャンダルの疑惑をかけられるとか、政治的にまずい立場に追い込まれたりすると、姿を隠して説明を逃れる。 そして、最後には『入院する』って手法は、まるで、昔の大物自民党議員がやるパターンとそっくりだよね。 TVタックルなんかで見せていた威勢は、どこにいっちゃんたんだよ。」

 

 土曜日の「朝まで生テレビ」でも、ちらっと言っておいた。 よく、「前原・野田体制は、小泉総理にとっても自民党にとっても扱いやすい。 だから自民党はあえて民主党の『アマチュア執行部』を追いつめないようにしている。 前原党首が辞任して菅直人氏や小沢一郎氏なんかが登場してくると『プロの執行部』になる。 そうなるとやっかいだからだ」という分析をする人がいる。 が、この見方は正しくない。 自分の目から見ると、前原党首・野田国会対策委員長を中心としたフレッシュな執行部体制は(本来ならば)自民党にとって最も「手強いライバル」になるはずだ。 それどころか、前原党首は、現在の民主党にとって「最後の希望」という気さえする。 

 

 万一、前原体制が崩れて、「昔の名前」なんか出てきたら、それこそ自民党にとっては「理想的な展開」ということになる。 国民が民主党に求めているのは、お馴染みのベテランを並べた「プロのリーダーシップ」なんかではない。 自民党とは違うクリーンな体質、若くて斬新なイメージでしょう。 今回の騒動が深刻なのは、民主党の「当事者の永田議員は何の説明もしないまま雲隠れ&入院」「現執行部に責任が及ぶのを避けるため永田氏の議員辞職を思いとどまらせている(ように見える)」みたいな対応が、「自民党とは違う体質の民主党」「既存の政治文化に染まっていないクリーンな民主党」というイメージ(民主党最大の武器)自体を壊してしまいかねないところにある。

 

 自民党は前回の総選挙に圧勝した。 最大野党がこんな「ていたらく」では、政治に「健全な緊張感」は生まれない。 民主党には一刻も早くこの問題にケジメをつけてもらいたい。 「間違った点」(永田メールの信憑性を証明出来ない)があったのだからそれを認めて、早く出直してもらいたい。 政権に不透明なことがあれば、それを突くのは野党の役目だと思う。が、確証のないスキャンダルを突きつけることで「政権にダメージを与えよう」などという「姑息な戦術」は二度と使わないでもらいたい。(*本当に疑惑があるというなら、ちゃんとした証拠を提示して勝負を挑んでもらいたい。) 外交、経済、社会保障、教育と問題は山積している。 前原さん、野田さん。 もっと大事なことについて、堂々と「政策論争」をやりましょうよ! もう「永田メール問題」にはうんざりだ!! 




追伸:

1.明日は早朝の新幹線で高崎に入る。 月曜日恒例の「街頭演説」をやるためだ。 「朝ズバッ!」から出演依頼のあったコーナー出演は(予定が重なったので)お断りした。 この問題には、もうあまりコメントしたくない。




2.政治の本質は「権力闘争」だと何度もここに書いた。 「堂々と政策論争しよう」とか、「健全に競争しよう」などと口で言っても、そんなきれい事ではすまない場面もある。 政党と政党が政権をめぐって争う時は、手段を選ばないドッグファイトになるのがこの世界だ。 が、たとえどんなに激しく戦うことになっても(そしてどうせ勝負をするなら)、自分は前原氏や野田氏のような「古い政治文化や手法に染まっていない」世代の政治家と競い合いたいと思う。(*こっちは党首でも国会対策委員長でもないのに僭越かなー。(笑))




 たとえば、自民党が9月の総裁選挙で「古い派閥政治」のルールを復活させたとする。 その結果、国民は自民党に再び、そして決定的に「失望」するだろう。 小泉総理が2度にわたってセットした「自民党の延命装置」が外れ、次の総選挙で政権を失ったとしよう。 そうなったら、自民党は否が応でも「自己改革」をせざる得ない。 古い党のイメージを払拭するために死に物狂いで「体質改善」に取り組むだろう。 そして本物の「改革自民党」が再び政権を奪い返した時、日本の政治に「健全な政権交代のサイクル」が生まれるのかもしれない。 その時は、与野党の「次世代」が主役になる。 そうでなければいけないと思う。

 

3.明日の午後1時から3時まで、慶応大学の三田キャンパスと韓国ソウルの延世大学のキャンパスをインターネットで結び、第2回の「日韓若手議員討論会」を開催する。 日韓双方から4名ずつ、合わせて8名の与野党次世代エースが顔を揃える予定だ。 これは将来、必ず「画期的なプロジェクト」になると確信している。 もう少し時間があれば、日韓のマスコミ関係者や日韓問題の研究者等に「宣伝」したかった。 が、とても余裕がない。 ま、いいか。 今回は韓国側の4名のコアメンバーのうち、1名は「ピンチヒッター」ということになった。 来月末には3回目を予定している。 次回は「フル・メンバー」に登場してもらう。 そこで、しっかり「記者発表」をやることにしよう。