先日、帝国ホテルで行われた新藤義孝衆院議員の結婚披露宴のテーブルで、山口泰明衆院議員や世耕弘成参院議員等と一緒になった。 少しほろ酔い気味の山口議員がこう言った。 「山本さん。 安倍さん支持の発言だけどさ。 過激なのはいいけど、やはり言っていい時とそうじゃない時がある。 あれはまずいよ。 TPOってもんがあるからね。」（＊TPOってよく使うけど、恐らく和製英語。 Time（時期）、Place（場所）、Occasion（場合）ということだ。） そこは人柄のいい山口代議士のこと。 悪気があって言った言葉ではないだろう。が、泰明氏のこのコメントは間違っている。 政治家の発言にTPOなんてあるはずがない。 だいいち、判断の基準がない。 ある政治家にとってはタイムリーな発信でも、他の政治家には「最悪のタイミング」になったりするんだから。 そう言えば、ODAの議論の時もこの表現を使った先輩政治家がいた。 「だから、TPOってもんがあるだろう？！」 （＊TPOなんて「クソ食らえ！」って言いたかった。）
山口議員の言葉に、ニコニコしながら「へえ、そうですかね」と答えた。 すると山口氏は世耕氏のほうを向いてこう言った。「それに比べると、世耕さんはバランス感覚がある。 言わない時には言わない。 これは立派だ。」 世耕氏の反応は、「いや、ボクなんて、一太先生から『八方美人』だって、怒られてるんです。（笑）」というものだった。
世耕さん。 「八方美人」でいいんですよ。 安倍応援団が皆、山本一太みたいな「不良少年」（きかん坊）ばかりだったら、安倍内閣を作るための戦いがスムーズに運ぶはずがない。 世耕議員のような「実力者から可愛がられるタイプ」の政治家が必要だ。（＊先週木曜日の派閥総会でも、森会長から『君の本が売れてるぞ！」なんてお褒めの言葉をいただいていた。） 世耕氏はけっして戦場に切り込む「サムライ」ではないが、昨年の選挙の時と同様、中央の参謀室で戦略を練ってもらえばいい。 権力者とコンタクト出来るパイプを維持してもらえばいい。 和歌山での国政報告の演説で世耕氏が表明した決意を疑っていない。「これから９月に向けて様々な妨害やプレッシャーがあると思いますが、山本一太さんと協力して、安倍総理実現のために全力を尽くします！！」
さて、前回のレポートで、河野太郎氏が自身のＨＰ「ごまめの歯ぎしり」で、「山本一太は来年の改選組の中では自民党最強の候補者。もし群馬県連で公認しないのなら、神奈川県連でもらう！」と表明してくれたことに感謝すると書いた。 誤解のないように言っておくが、自分はもちろん地元の選挙区から出馬したい。 ここ（上州群馬県）で生まれて、ここで育った。 祖父も曾祖父（さらにその前も）も群馬県人だし、上州人であることを誇りに思っている。 しかも「２議席」だった前２回の選挙も「ぶっちぎり」でトップ当選した。（＊群馬県政治史上、２回目の参院選挙の得票が１回目の得票を上回った例は自分を除いて一回もない。） さらに「反党的行動」は皆無で、小泉改革にはかなり貢献してきたと自負している。 こうしたことを考えれば、「群馬の自然の中で成長したカントリーボーイ」が、「自民党公認候補として、堂々と群馬県から立候補したい」と思うのは当然だと思う。
神奈川県から立候補するなんて、現実的にはムリだと分かっている。 でも、山本一太という政治家（候補者）の価値を認めてくれる仲間がいて、しかもその政治家が地元県連の会長で、ここまでのことを宣言してくれた。 自分の窮地（？）を知ってエールを送ってくれた。 しかも、結構、本気だったりして！（笑） そのことがすごく嬉しかった。 だから「ありがとう！」と言わずにはいられなかった。 そういうことです。
先週、東京の事務所で、地元秘書が送ってきた「公認申請書」にサインをした。 生まれ故郷の吾妻郡の自民党支部宛になっていた。 幼稚園、小学校、中学校に通った地元中の地元だ。 ここで申請書が受理されれば、県連本部を通じて党本部に「公認申請」がなされるという流れになる。 さて、どうなることか。 ４月以降は総裁選挙が本格化する。 このままスムーズにいくはずがない。 実名報道が始まる日は近い？！（笑・笑）
追伸：「今の段階から、あまり安倍、安倍って言わないほうがいい。ちょっと早すぎるよ！」 先日、あるベテラン議員からそう言われた。 そこで、「へえ、じゃあ、先生は誰を応援してるんですか？」と聞いてみた。 返ってきた答えは次のようなものだった。 「いや、自分はギリギリまで様子を見て…その時に一番国民の支持の高い人を選べばいい。そう思っている。」
自分に「発言を控えろ」とアドバイスする政治家に限って、「ポスト小泉で誰を応援したいのか」を決めていないし、明言もしない。 たとえばこれが、「オレは安倍以外の００を支持してるんだから。山本さん、あまり安倍さんばっかり応援するなよ！」というなら筋が通っているし、敵陣営ながら「あっぱれ」だと思う。 つまり「人気の高い安倍長官」以外の候補者への支持を表明することは、政治的に「損だ」と思っているということだ。
政治家はそれぞれの信念に基づいて発言し、行動する。 ポスト小泉にはいろいろな意見があっていい。 でも、腹も固まっていないヤツが、他の政治家に「こんな発言をするな！」なんて言うのはそれこそ「筋違い」というものだ。