午後3時から「党首討論」を見た。 45分の対決の中で、前原党首が堀江メール問題に使ったのは最後の10分間だけだった。 思ったとおり、新しい証拠の提示(入金口座番号等)はなかった。 前原氏は、「堀江氏から武部幹事長の次男に資金提供があったことは確証がある。 もし、与党が国政調査権の行使を約束するなら、銀行の口座番号等の情報を渡す用意がある」という従来の主張を繰り返しただけだった。
これはどう考えても、おかしな理屈だ。 考えてみて欲しい。 堀江社長から武部幹事長の次男におカネが流れたという根拠は、永田寿康議員が予算委員会で持ち出した「メール」でしょう? その根拠にこれだけの疑いがあるのに、「国政調査権を発動することが担保されなければ、新たな証拠を出せない!」なんて、論理矛盾としか言いようがない。 「信憑性が高い」というなら、その理由を示してもらいたい。 本物とはとても思えないメール一枚で、国政調査などという公権力を発動出来るわけがない。
さらに、「国政調査権の発動を約束してもらわなければ、口座番号を出しても与党に握りつぶされる」という反論にも、全く説得力がない。(*今の世の中で「証拠を握りつぶす」などということが出来るはずがない。) 民主党が口座番号を示せば、自民党は調査せざる得ないし、調査結果についてきちんとした説明を求められることになる。(*実際、武部幹事長は必ず調査すると約束している。) もし、その説明に疑義があったり、怪しい点があったとすれば、マスコミはそこを突いてくるし、国民世論だって「あらゆる手段を使ってでも調べて欲しい」となるはずだ。 民主党がこんな対応を続けていると、「メールが偽物であることは分かっているが、国政調査をかければ武部幹事長と堀江社長との何かまずい関係を洗い出せるかもしれない」という意図でやっていると勘ぐられても仕方がない。
前原党首は、「永田氏に全幅の信頼を置いている」と明言した。 野田国会対策委員長も、「一歩も退けない姿勢」を打ち出している。 この2人は、けっして責任回避をするようなタイプではない。 党として質問を許した永田氏に対して、途中で「ハシゴを外す」ようなことはしない。(*自分が同じ立場でもそうしただろう。) が、この2人の潔さが、「永田騒動」を前原執行部全体の責任問題にしてしまった。 もし、永田氏がこのスキャンダル情報の「発信源」はもとより、「情報提供者」にさえコンタクトを取らずに(永田氏と接触した某ジャーナリストの言葉とコピーだけを信じて)予算委員会で武部幹事長を罵倒したとしたら、もし、このメールが偽物であることを裏付ける更なる事実(*偽造であることはほぼ間違いないと思うが)が出てきたとしたら、前原民主党そのものが大きく揺らぐことになる。 そうなったら、永田氏の罪は大きい。
「TVタックル」でもよく一緒になる永田衆院議員に恨みがあるわけではない。 が、堀江メールを証拠として提示する前に情報提供者に確認を取ったのか? 平沢議員が公表した「消されていないオリジナル・コピー」が提起する疑問にどう答えるのか? 永田氏自身でなければ分からない幾つもの核心部分がある。 永田さん。 予算委員会でもテレビでもいいから、堂々と出てきて説明したほうがいい。 そして、万一、限りなく不確かな情報で、武部幹事長を「お金で魂を売った!」と断じたり、無関係の民間人の名前に言及したりしたのなら、ちゃんと事実を認めて謝罪するべきだ。 自分の言ったことについて、きちんと責任を取るべきだ。
追伸:よく、「山本さんは、前原党首の悪口を言わないね!」と言われる。 自分は、野党がある程度しっかりしていないと、政治に「健全な緊張感」が生まれないと思っているだけだ。 もっと大事なことで競い合いたいと考えているだけだ。 こんなしょうもない「ガセネタ」をめぐって大騒ぎしているなんて、それこそ税金の無駄ではないか。 本日の党首討論の最後に小泉総理が言った言葉:「いろいろなご苦労もあると思いますが、前原代表にも、しっかり頑張ってもらいたい!」がすべてを語っている。