自分は「小さな武器」(自ら経営するささやかなメディア)を手に入れた。 この「直滑降」レポートが、永田町・霞ヶ関・マスコミ関係者の間で(思った以上の)「存在感」を確立しつつあるからだ。 地元を歩いていると、思わぬところで、「HPのレポート、毎日読んでますよ!」と声をかけられるようになった。 「直滑降」に何かを書いた次の日に、官僚が(その何かについて)急にブリーフィングに訪れるという現象も多発している。 レポートの内容に関して、マスコミから問い合わせを受けることも多くなった。 著名な政治ジャーナリストが、黄色いマーカーをつけたレポートのコピーを片手に取材にやって来るという場面にも何度か遭遇した。 最近は、特に財務省内でかなりの高視聴率をキープしているようだ。(と、財務省の友人が話していた。)

 

 大して文章がうまいわけでもない。 重要な情報がちりばめられているわけでもない。 でも、東京と地元での日々の政治活動、政治家としての理念や哲学、政策や政局をめぐる戦い等について、出来るだけ正直に(睡眠時間を削って)書き続けてきた。 その「熱っぽさ」と「臨場感」を面白いと思う読者が少しずつ増えてきたということかもしれない。 「直滑降」へのアクセスは、平日で1日平均1500-2000のヒット数をキープしている。 何かタイムリーな問題でテレビ出演が続くと、アクセスは3000台になる。 さらに、「騒ぎ」(流行語大賞受賞とか、衆院選挙前のTVディベートのハシゴとか)を起こすと、一気に5000を超えたりする。 党幹部でも大臣でもないマイナーリーグの参議院議員の国政レポートとしては、まずまずのアクセス数じゃないだろうか。(*他の政治家のHPをほとんど読まないので、比較は出来ないけど。) 

 

 ひとつハッキリしているのは、地元の意地悪な一部長老(「ベテランの叡智」もいるが)が「得意の口コミ」で回りの関係者に囁く山本一太の「悪口」より、このHPで発信するメッセージのほうが、ずっと多くの地元有権者に届いているということだ。 たとえば、彼らが地元のマスコミに都合のいい情報を流したり、「意図的な記事」を書かせたとする。(*そんないい加減な地元メディアがあるとは思えないが…。) その瞬間に「直滑降」で反論出来るというわけだ。 だいたい、自分の言動や活動について「直滑降」よりタイムリーなメディアなんてあるはずがない。(笑) しかも、情報量(記事の頻度)が圧倒的に違う。 さて、少し長くなるが、この「小さな武器」を使って、最近発生した「新たな嫌がらせ」の報告をしておこう。

 

 政界に飛び込んでから10年が経過した。 常に自民党議員としての「アイデンティティー」を胸に発言し、行動してきた。 政党を行ったり来たりしたことはない。(*別に悪いことだとは思わないが…) 党の古い体質を批判することはあっても、いわゆる「反党的行動」を取ったことは恐らくただの一度もない。 特にこの4年間は、自民党総裁である小泉首相の改革を一貫して応援してきた。 参院自民党や所属派閥では「不良扱い」されている自分が、皮肉なことに他の多くの議員よりずっと自民党のイメージアップに貢献している。(と思う。)

 

 支持率が10%を切っていた森内閣終盤の時期でさえ、テレビの討論番組で集中攻撃を受けながら(自民党議員という立場で)「逃げずに」論陣を張った。 現在は横浜市長を務める中田宏氏(当時衆議院議員)から、よくこんなことを言われたものだ。 「山本一太さんて、結構、罪な人だと思う。 だって、一太さんみたいな政治家がいると、『賞味期限の切れた自民党』にまだまだ新鮮な部分がある。『自民党も捨てたもんじゃない』なんて国民に思わせてしまう。 だから自民党が延命しちゃうんですよ!」 まあ、半分以上はお世辞だと思うが、しかし、100%ウソでもないと自負している。

 

 参院自民党執行部は、総選挙直前の参院本会議で「郵政法案に反対した」現職議員に対して(実質的に)「お咎めなし」という裁定を下した。 まあ、これは妥当な判断だろう。 なぜなら、参院で法案に反対票を投じた自民党議員は、衆議院の造反組とは違う。 総選挙で党が擁立した公認候補と戦ったわけではない。 加えて、自民・公明の与党で「なんとか過半数を維持している」という参議院の事情も考慮しなければならない。 この「お咎めなし政策」に基づき、来年の選挙を戦う候補者の選定・公認については、(1)現職を優先する(2)郵政法案反対の責任は問わない(3)地域支部(県連)の判断を尊重するーといった方針が既に打ち出されている。 

 

 自分は、当然のことながら「郵政民営化法案」に賛成した。 それどころか、党の選挙公約(マニフェスト)そのものである郵政改革法案通過のために1ヶ月にわたって永田町を飛び回った。 郵政解散の意義を訴えるために、連日、メディアで与野党の政治家と対決した。 あの選挙で最も全国を応援に駆け回ったのは(安倍官房長官と竹中大臣を除けば)山本一太だったと信じている。 もう一度言う。 ここ5、6年間、自民党に対する貢献という点では、スタイルは「不良」でも、実質的には(幸か不幸か)かなりの「優等生」だったと言っても過言ではない。

 

 さあ、ここからが本題だ。 本日の午前中、党の政調審議会が行われる衆議院の会議室に向かった。 外交部会長として、今国会に提出予定の条約を説明するためだった。 少し早めに到着した。 隣の応接室で出番を待っていると、遅れて入ってきた党の某幹部がこんなことを言った。「あんた、来年は参議院選挙だよな。 何か、群馬の実力者と一悶着あったんかい?」「え? なぜですか?」と聞くと、驚くべき答えが返ってきた。 「いや、群馬の自民党県連のある人が、『山本一太を公認しないかもしれない』みたいなことを言ってきた。 オレは『そんなこと出来るわけないよ!』って言っておいたけど。 党のほうで参議院選挙の候補者の公認を前倒しするので、地域支部に4月下旬までに決めてくれという通達(?)を出したんだ。 だからだと思うけど、山本の代わりに00(具体名あり)を公認したいなんて言ってきた。 いろいろな人間が動いてるみたいだから、気をつけたほうがいいよ。」 

 

 数名の人物の顔が頭をよぎった。「そうだったんですか。 先生、ありがとうございました!」と頭を下げた。 「うん。 まあ、少しは大人しくしたらいいかもな。(笑) オレから大目玉を喰らったって、言っておけばいいよ。 ま、来年は群馬の議席が2から1に減る。 だからこんな動きが出てくるんだろうな。」 「山本降ろし」を画策するこの地元の県連幹部(*だいたい予想はついている)によれば、「公認しない」理由は「ポスト小泉の候補として、群馬県以外の有力者(安倍官房長官)を応援すると公言しているのが気にくわないから」だそうだ。

 

 ふむ。 地元県連からは、まだこんな声は届いていない。 正式な決定でないことは確かなようだ。が、実は大して動揺していない。 こうした事態はある程度、予測していた。 「いよいよ、恫喝が始まったな」という感じだ。 常識で考えれば、総裁選挙で「特定の候補者を支持すると明言しているのがけしからん!」などという理由で、現職の公認が外されるということはあり得ない。 前述したとおり、自分は反党的行為に手を染めたことはただの一度もない。 が、そこは「情治政治」から脱却出来ないこの渡世のこと。 理屈と感情は違う。 場合によっては、嫌がらせで「一次公認を見送られる」というケースは十分にあり得る。 最悪の場合、公認を受けられないという状況も想定しておく必要がある。

 

 何度も言うが、自分は絶対にひるまない。 どんな結果になっても、自らの「魂」にウソをつくようなことはしない。 「山本をクビにする!」(*どっかで聞いたセリフだな)と言ったこの県連幹部の言葉には、明らかに次のような発想が見て取れる。 「山本一太のヤツめ。 オレの言うことを聞かないとは何事だ。 一体、誰のお陰で国会議員になれたと思ってるんだ!!」 山本の代わりに擁立する候補者の具体的な名前にまで言及したと聞いた。 まるで、(候補者の資質には関係なく)自分が有権者を動かし、政治家を製造出来るかのような「傲慢不遜」な態度ではないか。 群馬県の政治家を選ぶのは、県民(一般の有権者)の良識と見識だ。 何十年経っても権力にしがみついている一部の長老とか、利権と結びついた一部の政治ブローカーが政治家を作ることの出来た時代は、とっくに終わっている。有権者を惹きつける魅力のない候補者は、どんなにカネをつぎ込もうと、けっして当選出来ない。

 

 常に「バッジをかけて」行動してきた。 もし、上記のような理由で県連から自分が公認されなかったとして、こんな理不尽な決定に異を唱える県連メンバーが1人もいなかったとしたら、そして一部始終を知った県民の中から「ちょっと違うんじゃないか」「山本を失うのはもったいない」という声が彷彿として起こって来なかったとしたら、それは「山本一太という政治家」にそれだけの存在感と魅力がなかったということに他ならない。 その時は(公認選びの展開にもよるが)潔く身を引いてもいい。 自分より「人気があって、魅力があって、能力のある」候補者にバトンタッチすることも考える。 政治への志を失わず、信念を曲げず、自分を磨く努力を怠らず、そして強烈な意志さえあれば、必ず新たな道を切り開いていける。 そう信じているからだ。

 

 だだし、「公認外し」の経過は、詳細に(場合によっては実名で)「直滑降」レポートに書く。 上州の有権者に何が起こっているのかを、正確に伝えるために。 不透明な「情治政治」に慣れきった「アンチ・山本グループ」は、今まで経験もしなかったプレッシャーに直面するだろう。 それは、「情報公開」と「透明性」がもたらす「草の根」からの反感と反発だ。

 

 何でもポジティブに考える脳天気な山本思考に照らせば、ラッキーなこともある。 それは、万一、来年の参院選挙の公認候補になれなかったとしても、あと1年4ヶ月は国会議員を続けられるということだ。 最悪の事態は、最高の開放感をもたらすかもしれない。(笑)そうなったら、思う存分、言いたいことを言わせてもらう。 これまで書けなかったことを、すべて書かせてもらう。 「直滑降」は永田町NO.1の人気サイトになるだろう。 

 

 そうだ。 もうひとつだけ言っておこう。 公認を外されても、人生に「絶望」したり、誰かを生涯恨んだりなんて「バカバカしいこと」はしない。 が、この計略の首謀者たちは(中央でも選挙区でも)絶対に「無傷」では終わらせない。 子猫だって、10年経てば、ちび虎になる。 数々の選挙と政局の中で培ってきた戦闘力(情報力と行動力)を存分に使わせてもらう。 読者の皆さん、このフレーズ、しっかり憶えておいてください。

 

追伸:あ、もう午前1時か。 熱い紅茶をもう一杯飲んで、熱いお風呂につかって、それから気絶することにしよう。 今日こそ、4時間以上、寝る。