午後5時。 党本部で「メイクドラマ・プロジェクト」の打ち合わせ(出席者15名)をやった。 会議終了後、東京駅へ急行。 高崎に向かう午後6時過ぎの新幹線に飛び乗った。 長年にわたってお世話になった地元の有力者が亡くなったからだ。 10年前の最初の参院選挙では「選対事務長」まで務めていただいた恩人だ。 とにもかくにも、弔問にうかがわねばならない。 時刻はちょうと午後6時45分。 車中でキーボードを動かしている。 高崎まであと30分弱といったところだろうか。
さて、昨晩「ホテル・オークラ」で、小泉総理と財界人25名による「懇談会」があった。 懇談に参加した25名の経済人の中には、奥田経団連会長も含まれていた。 会の席上、某大企業の幹部がJBIC問題に言及した。 総理に対して、「JBIC組織の存続」を訴えた。(と、聞いた。) 小泉総理は、(あえて存続すべきか否かには触れず)「財務省が毎日のように言ってくるよ。 役人(官僚)の抵抗は強いな!」と返事をしたらしい。 もう一度、強調しておく。 総理は「『財務省』が『毎日のように』言ってくるよ!」と発言した。
党としては、昨年末の政策金融改革に関する合同部会で「援助機能と国際金融を分ける」(=jBICから借款部門を切り出す)という方針を既に決めている。 党のワーキングチームと経済協力特別委員会が主催した先般の合同会議(平場の議論)でも、「国際金融と円借款の分離」は多数意見だった。 しかも、(会議の最後には)政策金融改革の責任者である園田座長と衛藤行革本部長からも、「党のこの方針は変わらない」ことが再確認された。
それにもかかわらず、このタイミングで、こんな懇談がセットされた。 背景に、財務省の影を感じないわけにはいかない。 そういえば、先日、奥田会長が某大臣と会った際、「JBIC問題で、個別に総理と会うようなことはしない!」と言ったと聞いていたが…なるほど、こういう作戦だったのか。 財務省どの、いくらなんでも、これはやり過ぎですよ!
以前のレポートに、参院自民党と経団連の懇談会の会場で奥田会長に「突撃陳情」を敢行したエピソードを紹介した。 そこには(あえて)書かなかったが、JBIC問題について訪ねた際の奥田会長の最初のフレーズは次のようなものだった。 「うーん。 とにかく、財務省が攻め込んで来てるから、ね。」 もう一度言っておく。 「とにかく、『財務省』が『攻め込んで』来ているから、ね。」という言葉だった。財務省さん、いくらなんでも、これは官僚の「規」を超えてますよ!!
どこまで正しいかは分からないが、関係者とのここ一連のやり取りを通じて自分が政治家として得た「感触」は次のようなものだ。 経団連はJBIC問題に対する立場をまとめ切れていない。 なぜなら、(JBICと関連の深い一部有名大企業は別として)大多数のメンバーはJBICの組織改革にあまり関心を持っていないからだ。 ましてや、与党の方針を覆してまで、「JBICをそのまま存続させるべきだ」などとは考えていない。(と思う。) さらに、奥田会長は、(一部企業の要望を受けて)「JBICの国際金融や資源開発の機能は何とか残してもらいたい」と考えている(?)が、党の反発を招いてまで、また政局を誘発してまで「JBIC組織の存続」にこだわっているとは(どうしても)思えない。 どう考えても、財務省が経済界に「ネジを巻いている」という構図に見えてしまう。
「世界のトヨタ」を率いてきた奥田経団連会長は、日本を代表する素晴らしい経済人だと思う。 小泉改革の良き理解者であることも事実だ。 さらに、政治が「経済界」の意見を大切にしなければならないのは当然のことだ。 が、自分(山本一太)は、この4年半、身体を張って(何の損得も考えずに)小泉総理と小泉改革を応援してきた。(*当然、小泉首相が勇退する9月まで、この姿勢は変えない。) 経済界の一部がどう考えていようと、敬愛する小泉総理には、ぜひとも(「役人の抵抗」を排して)正しい決断をしていただきたいと思う。
そうは言っても、小泉総理だってオールマイティーではない。 JBICの組織の細部や援助の現場のことまで分からなくて当然だ。 安倍官房長官なんて、両サイドからの度重なるロビー活動(相反する意見の陳述)に、いい加減、嫌気がさしているに違いない。(*安倍長官、申し訳ありません。)
だから、万一、小泉総理や安倍長官が、「JBIC存続」に傾いたとしても、この2人を批判するようなことは(けっして)しない。 ましてや、この時期に、自分が「安倍長官の政治的マイナスになるような」言動を取れるわけがない。 それでも、党の方針と違う決定を下すことは、(結果として)安倍長官に迷惑をかけることになる。
その時は、財務省にしっかりと「責任」を取ってもらう。 と、ここまで書いたところで、上野駅のアナウンス。 この続きは今晩のレポートで。