昨晩の森派総会の後、5名の議員から携帯にメッセージが残っていた。 そのうち、2つのメッセージだけ、実名で紹介する。 杉浦正健法務大臣からは、「一太さん。我慢、我慢。ならぬ堪忍、するが堪忍ですよ。慎重にお願いします!」という伝言。 温情派の杉浦氏らしい言葉だ。でも、杉浦大臣、ご心配には及びません。 感情に突き動かされて「脱会宣言」なんて絶対にしませんから。 世耕弘成参院議員からは、「一太先生、ご苦労様でした。退会する必要なんて、全くありませんからね!」という激励のセリフが残っていた。

 

 さて、昨晩はあえて森会長の言葉に反論しなかった。このHPで(冷静に)自分の意見を述べたいと思う。 まず、「現段階で派閥には2人の有力候補がいる。この時点で、どちらかの支持を表明することは派閥に亀裂をもたらす。だから黙っておけ!」という指摘について。 もしそれが会長の本心だとすれば、なぜ派閥のリーダーである自分自身が早々と「安倍温存論」を持ち出し、安倍さんに立候補をとどまらせようとするのかが分からない。 それは実質的にもう1人の候補者を応援することに他ならない。 実際、様々な機会をとらえて、「安倍は早い。もう1人の候補者がいい!」と発信されている。 




 考えてみてほしい。総理経験者で、最大派閥の長である森会長の発言と、自分のような「ちびっこ議員」の発言を比べたら、森さんの言葉は(特に政界においては)100倍も重い。 同じグループの2人のうち「どちらかを応援してはいけない」という張本人が、2人のうちの1人に肩入れしている。 これこそ、派閥分裂の芽を作る行動に他ならないではないか。(*どう考えても「つじつま」が合わない。) 事実、会長の「安倍温存発言」に対して、派内の「若手安倍ファン」は(言葉には出さないが)かなり不満を持っている。 

 

 森会長の言動を文字通り解釈すると、「ポスト小泉について具体的な名前に言及出来るのは派閥の長であるオレだけだ。オレは何を言ってもいいが、他のヤツは黙っていろ。 特に自分と違う意見を言うなんてもっての他だ。そういうヤツは出て行け!」ということになる。 20年前の派閥じゃあるまいし、そんな理屈はとても受け入れられない。 それに、「時期が来ればまとまってくるのだから、今は何も言うな!」というのは、「派閥メンバーがいつ発言していいかは、オレが決める」と言っているに等しい。 仮に「発言してもいい」時期というのが来て、発言の自粛(?)が解除されたとする。その時に会長の意図と違った発言が出てきたら、再び「発言禁止令」が発布されるのだろうか。(笑) そもそも、自民党の総裁(=日本の首相)を決める選挙で一票を投じるというのは、与党の国会議員として最も重要な仕事のひとつだ。 ルーキーだろうがベテランだろうが関係ない。誰かに言われて意見を押し殺したり、本心と違う行動を取るような議員だったら、一刻も早く政治家を辞めたほうがいい。

 

 森会長の演説の中で何度も繰り返された「派閥が割れる」「派内の結束にヒビが入る」というセリフを聞きながら思った。 自分が安倍官房長官を応援しているのは、安倍氏が同じ派閥にいるからではない。 安倍さんが総理になることが最も「日本の国益にかなう」と信じているからだ。 総理は派閥の都合で選ぶものではない。 派閥の前に党があり、そしてそのずっと前に日本がある。 逆に古くさい「派閥の論理」(幸か不幸か)から考えても、安倍さんは(幸か不幸か)「派内の候補」だ。 同じ派閥のエースを応援すると言って咎められること自体がおかしい。

 

 さらに、森演説の中の「そのうち時が経てばまとまっていく」という部分について。 ある派閥が総裁選挙の候補者を1人に絞って、派閥メンバー全員をその決定にしたがわせるなどということは、もう出来ない。 派閥の合従連衡(=談合)で総理・総裁を決めていた旧来のシステムは、小泉総理の誕生で(とっくに)崩壊している。 派閥が総裁選挙の主役になることはない。 9月の総裁選挙では、多くの議員が(再び)「派閥の枠」を超えて行動するだろう。

 

 あ、もうこんな時間(午後11時)か。これから「宮廷料理人:チャングムの誓い」を見なければならない。この続きは「山本一太君、君のことだ!:その3」で。 「安倍支持」を明確にしている議員の中で自分だけを標的にした理由、「安倍さんはさぞかし迷惑しているだろう」というコメントに対する反駁等、書きたいことはまだまだある。

 

追伸:年末に引き続き、日本テレビの「爆論」から出演依頼をもらった。 が、テーマが急遽「ライブドア問題」に変更になったということで、前日に立ち消えになった。 また、懲りずに声をかけてください。 テレビ朝日の「TVタックル」からも声をかけてもらった。が、その日は世耕弘成参院議員の地元(和歌山県)の会合で「バトル・トーク」をやることになっている。(*残念!)




 テレビと言えば、テレビ東京「誰でもピカソ」(芸能人アート・バトル)の放送日が2月3日午後10時からに決定した。 今週のTVガイドに載っているくらいだから、大丈夫だろう。