午後4時20分。東京に向かう新幹線の中でパソコンを引っ張り出した。午前中は利根・沼田地域。午後から吾妻地域を回った。本日、選挙区で会った支持者の7割からこう言われた。「一太さん、昨晩の『クイズ・ミリオネア』見ました。残念だったねえ。」 新聞のテレビ欄に書かれていた「国会議員特集」というタイトルを見て、チャンネルを合わせた人が多かったようだ。少なくとも地元群馬県での視聴率はかなり高かったと思う。それにしても、「リヤカーが軽車両である」ことを知らなかったなんて…恥ずかしい。(笑)

 

 小泉内閣の登場を契機に、政治はもはや「永田町というコップの中」で決められない時代になった。そんな状況であっても、自民党のいわゆる実力者や長老議員の発言が、「永田町のプロ」(たとえば政治記者とか、国会議員とか)の見方や考え方に影響を与えることは否定しない。が、反面、彼らのメッセージが一般国民(世論)にどれだけの影響があるかというと、ほとんどゼロに近いと思う。国民は、いかにも「古い自民党の政治家」という顔をしたベテラン議員の言葉なんて信用しない。こうした方々が、「簡単にウソをつく」(言葉が軽い)ことを知っているからだ。僭越ながら、分かりにくい「永田町用語」を使う自民党の大物議員の発言より、直滑降を旨とする山本一太のひとことのほうが、よっぽど世間にアピールする場合がある。そのことを信じて、あらゆる機会に「世代交代の必要性」を訴えていきたい。

 

 2年後の参議院選挙は「首相が誰でもあまり変わらない」とか、「議席数はある程度予測出来る」などという見方は、まさしく「参院軽視」の発言だ。「参院は負けてもいい!」という意味に他ならない。次回の参院選挙はそんな生易しい戦いではない。再来年の7月に選挙を共に戦うすべての参院議員の皆さん、大事なことを忘れないでください。参院選挙の勝敗を決めるのは(当然のことながら)「参院自民党執行部の布陣がどうなるのか」ではない。次の2年間に「参院がいかに独自性を発揮出来るか」などということでもない。地元の有権者に聞いてみればすぐ分かる。国民はそんなことには全く反応しない。参院選挙の趨勢は、「ポスト小泉の総理が誰になるのか」「新しい総理にどれだけの魅力があるか」によって決まる。これまでもずっとそうだった。

 

 2年後の参院選挙はそうでなくても厳しい結果になるだろう。ましてや、派閥の談合や一部長老議員の思惑で担ぎ出された首相とか、国民にアピールしない総理とか、時計の針を逆行させるようなやり方で選ばれた総裁なんかを立てたら、それこそ「壊滅的に」負けるだろう。それは衆議院にとって「人ごと」ではない。参院での惨敗は、間違いなく「自民党野党転落」(*いつでも覚悟は出来ているが)への「プレリュード」になる。

 

 参院選挙の敗北が濃厚だから、党のエースを温存するのではない。エースを立てて、ダメージを最小限にとどめなければ、次回の衆院選挙で政権の座から転がり落ちる可能性が高まるということだ。最初から難しいことの分かっている参院選挙(総選挙ではない)で議席を減らしたからといって、そんなことで党のために(日本のために)火中の栗を拾った「安倍総理」の退陣論なんか出てくるはずがない。自民党が政権を維持するための最後の「切り札」なのだから。

 

 あ、もう東京か。続きは次回のレポートで。