午後7時。東京に向かう新幹線の中で本日2本目のレポートに取りかかった。駅構内のカフェで買った熱いロイヤルミルクティーを飲みながらの作業だ。車内販売のカートに紅茶がなかったとしても、大丈夫。これが外交の世界でいう「抑止力」というものだ。なんちゃって!(笑)

 

 地元での最後のスケジュールは伊香保温泉の会合。本日ドライバーを務めた地元秘書の携帯に、他の議員事務所のスタッフから連絡が入ってきた。「伊香保は雪。道路が滑るので、車を換えたほうがいい」というアドバイスだった。(*親切だなあ。)渋川市内で別の秘書と合流。「ワンボックス・カー」に乗り換え、会場のホテルに向かった。ありゃあ、道路のあちこちで車が立ち往生している。中にはガードレールにぶつかったまま止まっている車両もあった。午後6時の宴会を待たずに、出席者の部屋をサッと回り、ホテルを出発。高崎駅に向かった。ふう。あと30分いたら、帰れなくなるところだった。

 

 さて、「ポスト小泉には、世代交代が不可欠だ!!」「ここは、安倍晋三官房長官に名乗りを上げてもらう以外にない!!」という自分の発言が、あちこちで波紋を呼んでいるようだ。「反発を招いている」と言ったほうが正確かもしれない。が、この主張を引っ込めるつもりはサラサラない。日本という国のリーダーを決める与党の総裁選挙で「自らの一票を行使する」というのは、与党の国会議員として最も重要な仕事の一つだ。こんな大事な判断を、派閥や他人に言われて決めるようなロボット政治家だったら、今すぐ国会議員を辞めたほうがいい。

 個々の政治家が、「誰が次のリーダーにふさわしいか」ということに明確な意見を持つのは当然だし、それを公言することで「党執行部から叱責を受ける」などということがあるはずがない。ましてや、次期総理になってほしい人物が、同じ党の同じ派閥に所属する政治家だった場合、批判される筋合いなどあるわけがない。だから、これからも声を大にして言い続けようと思っている。自民党が政権を維持したいと願うなら、次の総理総裁は「安倍晋三官房長官しかいない!!」と。

 

 小泉政権の誕生を契機に、過去半世紀にわたって自民党政治(というより日本政治全体)を動かしてきた「派閥」の役割は大きく変わった。人間の社会では、「3人寄れば何らかのグループが出来る」と言われる。「派閥」は形や性質を変えながら(たとえばより純粋な政策集団として)存続していくだろう。その反面、自民党総裁選挙において「派閥が主役を演じる」ことは、もはやあり得ない。もっと具体的に言えば、派閥の幹部が「候補者を1人に絞って」、所属メンバー全員に応援させる(同一行動を取らせる)などということは、もう出来ないということだ。

 

 山本一太が来年の総裁選挙において「安倍支持」をハッキリと打ち出していることについて、所属派閥の幹部が怒っている(?)という話が伝わってきた。自分は他人の噂とか、「人づてに」聞いたことなんて信じない。だから、何かの間違いだと思う。(*そんなことがあれば直接、連絡があるはずだ。)他党の議員や別の派閥の政治家を応援すると言っているならともかく、同じグループのプリンスを「総理にしたい」と発言して、派閥から「お咎め」なんてあるはずがない。

 

 同じ派閥の親しい若手議員数名に意見を聞いた。皆一様に、「そりゃあ、全く問題ないでしょう。もうそんな時代じゃないよ。」と話していた。こんなことを言った仲間もいた。「何故か分からないけど、一太さんが発言すると『偉い人々』の神経を逆なでする。それだけ、存在感がある(警戒されている)ってことじゃないかなあ?」 警戒されるほとの存在感なんてあるはずがない。きっと、認めたくない「時代の変化」をハッキリ口にすることが「気にくわない」ってことだ。特に、古い派閥政治の構造から精神的に抜け出せない人々にとっては…。

 

追伸:「お咎め」と言えば、2年前、参院外交防衛委員長という肩書きでテレビ出演したことをやり玉にあげて、「今度やったら、処分は免れない」みたいなことを言ってきた参院執行部のメンバーがいた。党の政策と違う意見を言ったわけでも、総裁である総理の方針に反対したわけでもないのに、だ。

 前国会で成立した郵政民営化法案は、まさしく小泉内閣の存亡をかけたプロジェクトだった。党の公約であるその郵政民営化実現のための法案に反対した議員に対して、参院が下した処分は「実質的にお咎めなし」というものだった。別に「衆院と同じ処分をするべきだった」などと言うつもりはない。衆院と参院では事情が違う。参院の反対組は、自民党の現職と戦ったわけではない。さらに参院で与野党が伯仲していることを考えれば、「青票を投じた議員は、次回参院選挙までポストにつけない」という結論はギリギリの線だったかもしれない。が、ひとつだけハッキリしたことがある。

 

 衆議院では党を除名、あるいは離党勧告という厳しい処罰がなされた行動でも、参院自民党ではこの程度のペナルティーになった。ということは、山本一太がメディアで多少過激な発言をしたくらいで、参院自民党執行部から罰せられるなどということは、けっして「あり得ない」ということだ。(笑)