夜11時。東京の部屋。本日10杯目(?)の紅茶をすすりながら、キーボードを叩いている。今晩は「走って」「腹筋をやって」それからシャワーを浴びた。ふう。心地いい疲労感だ。本日の日程をサッと振り返ってみよう。

 

 まず午前9時から党本部のイラク問題プロジェクトチーム。午前10時から六本木ヒルズで行われたインターネット(テレビ会議システム)による日韓若手議員討論会。午後12時過ぎに自民党立党50周年式典に遅れて飛び込む。午後1時30分、議員会館事務所で外務官僚とのミーティング。午後2時30分、外交関係役員会。午後3時、外交関係合同部会。午後4時、政策金融機関改革に関する合同部会。午後6時過ぎ、有楽町マリオン前で「新世代総理を創る会」による街頭キャンペーン。午後7時過ぎ、お正月番組収録のための打ち合わせ…。気がつくと、1日が終わっていた。

 

 午後4時の「政策金融機関に関する合同部会」では、国際協力銀行(JBIC)の取り扱いが(にわかに)大きな争点として浮かび上がった。会議で示された「円借款を政策金融から切り離す」という提案に関して、賛否両論の意見が出された。この問題について、外交調査会長である町村信孝前外相と外交部会長である自分の立場が「正反対である」ことが判明した。町村前外相には申し訳ないが、「JBICの機能は見直しつつ、組織はそのまま残す」という考え方には賛同出来ない。川口前外相も、「JICAとJBICは組織としての目的が違う。仕事のノウハウも違うので統合してもうまくいかない。各省の援助調整はうまくいっている」という主旨の発言をしていた。




 その他にも、「円借款と金融はシームレス(継ぎ目のない援助のツール)だ」とか、「JBICやJICAの総裁が(なかなか外に出られない外務大臣に代わって)世界を飛び回れるというメリットもある」とか、「JBICがなくなって一番喜ぶのは、資源ナショナリズムと呼べるような資源外交を展開している中国だ」とかいった反対意見が表明された。こうした見解については、改めてこのレポートで(一つ一つ)反駁したいと思う。いずれにせよ、来週28,29日の合同部会で決着が図られることになるだろう。

 

 それにしても、本日の部会で「円借款の機能と技術協力・無償資金協力の機能を統合すること」に反対した議員には、元外務大臣や外務政務官の経験者が多かったような気がするが…気のせいだろうか?

 

追伸:外務省が先週の(?)幹部会で、「JBIC改革に反対する(現状を維持する)」という省としての方針を決めたという噂を聞いた。が、単なる噂だろう。政策金融組織の改革は、まさに与党の議論にかけられている。党の外交部会長である自分が全く知らないところで、そんな決定がなされるはずがない。万一、そんなことが決まったとしたら、誰かが必ず報告に来るはずだ。




 「外務省としては、今回のJBIC改革が援助の一元化、すなわち援助庁の設立に結びつくことを恐れている。新たな援助庁が外務省のコントロール下に置かれればいいが、何かの弾みで官邸(内閣府)直属の組織にでもなったりしたら取り返しがつかない。そんなリスクを負いたくないと思っている」という話も伝わってきた。さらには、「JBIC問題については、外務省、財務省、JBICの思惑が『現状維持』で一致したのではないか」という分析も聞こえてきた。単なる憶測なのか、事実なのかは分からない。




 自分は外交部会長として、部会と政府(外務省)が健全なコミュニケーションを保てる雰囲気を作りたいと思っている。その中で、両者が適度な緊張関係を保ち、健全な議論を交わせばいいと考えている。外務省改革は、完全に終わったわけではない。が、私怨もとづく外務省バッシングや感情的な外交批判に組するつもりはない。政治家を利用する時だけ利用しておきながら、旗色が変わると平気で情報をリークするような某幹部は好きになれないが、個人的感情は排して大人のつき合いをしようと思っている。誤ったエリート意識をちらつかせる勘違い外交官もいるが、反面、有能で、使命感と人間的魅力に溢れた外務官僚も大勢、知っている。今回の政策金融改革の議論の中で、いわゆる「外務省嫌い」にならなければいいなと思う。

 

 中川政調会長と園田合同部会座長には、「円借款を政策金融から切り離す」という基本方針をぜひとも貫いていただきたい。先ほど、この問題に関して武見敬三参院議員と電話で話した。来週の月曜日と火曜日は海外出張の予定を取りやめて合同部会に出ることにした。「決戦は月曜日」だ!!(笑)