午後9時30分。都内某ホテルの喫茶レストランでミーティングの相手を待っている。約束は10時。温かいミルクティーを注文した。すかさず、本日2本目のレポートに取りかかった。

 

 政界に入って(早いもので)10年が過ぎた。政治家として「いったんやろうと思ったこと」を途中でやめた記憶はほとんどない。どんな妨害が入ろうが、どんな偉い方々に叱られようが、信念を曲げずにやってきた。何か動きを起こせば、必ず波風が立つ。反発を恐れたら何も出来ない。ただし、小泉総理または安倍幹事長代理から「何らかの示唆」があった時だけは、「立ち止まって」考える。この2人は自分にとって「特別な存在」だからだ。ずっと「片思い」状態ではあるが。(笑)

 

 本日、郵政民営化法案が衆議院本会議で可決された。しかも、200票という大差で。前回の本会議で反対票を投じた野田聖子氏も賛成に転じた。野田氏は一昨日開いた記者会見で、「郵政民営化に関する自らの政治的主張が完敗した」ことを認め、郵政法案に賛成すると表明していた。野田聖子さんにとっては、悩んだ末の「苦渋の選択」だったに違いない。しかし、だからといって、小泉総理や武部幹事長が政治の筋を曲げるようなことはないと信じている。法案に反対した人々には何の恨みもない。が、法案反対を掲げて選挙を戦った議員に対しては、「毅然とした態度」でのぞんでもらいたいと思う。

 片山さつき氏も、佐藤ゆかり氏も、小野次郎氏も、リスクをとって強力な現職候補に挑戦した。今回の選挙で彼らに与えられた「比例上位」というセーフティーネットは、次回の勝負からは適用されない。党が郵政改革賛成派として擁立し、公認した「新人議員たち」のハシゴを外すようなことは、けっしてやってはならない。そんなことをしたら、多くの国民はこう思うだろう。「あの選挙には一体どんな意味があったのか。」「やっぱり、自民党は最初から談合するつもりだったのか。」と。世論の潮目は一気に変わるに違いない。そして、次回の選挙では、数多くの「法案に賛成した同志」を失うことになるだろう。

 午後。荒井広幸衆院議員と電話で話した。来週か再来週、2人で食事をする約束をした。(*焼鳥屋になる可能性が高い。)久々にこんな会話を交わした。「荒井:小泉総理、きっと意気軒昂だろうな。」「山本:うん、そりゃあ、そうだと思うよ。」「荒井:俺を含めた反対派を抹殺出来たと思ってるだろうな。」「山本:いや、そんなふうには考えていないと思うけど。まあ、300議席を穫った凱旋将軍だから。そりゃあ、元気に決まってるよ。」

 

 「一寸法師トロッコ」はレールを外れて、どんどんと「あらぬ方向」に進んでいるように見える。(*一体、どこまで行ってしまうんだろうか。)それでも、「離党」までして最後まで反対を貫いたのは「さすがだ」と思う。「民意が支持したから」とかいう理由で「コロッと賛成に回る」国会議員に比べたら、よっぽど筋が通っている。あ、悪巧みの相手(世耕弘成参院議員)が来た。続きは次回のレポートで。

 

追伸:(午前零時30分を回った。ここからは東京の部屋からのレポートです。)

1.午後4時。上智大学で行われた「日中学生フォーラム」(第2部のパネル)に参加した。第1部の日中の大学生による議論を、最後の15分ほど聞くことが出来た。ディスカッションに参加していた7名の中国人留学生の「優秀さ」に感銘を受けた。

2.午後2時30分。官邸で飯島秘書官に会った。週1回の「アイ・ワイ懇」(飯島・山本懇談会)はこれからもずっと続く。夜は妻とベトナム料理を食べ、午後10時から世耕弘成氏と会った。ううむ。世耕さん、相変わらず、センスいいなあ。政策の知識はもちろん、政局に対する感覚も抜群だ。情報収集力も他の参院議員と全然違う。僭越ながら、今の政界でここまでの「情報交換」が出来るコンビは存在しない。(*なんて、ちょっと大袈裟かな。(笑))こちらの「ワイ・エス懇」(山本・世耕懇談会)は、1ヶ月に一度のペースでやろうと考えている。

 「一太さんのレポートにある2つの勉強会って何ですか?ボクは誘われてないし…気になるなあ。」 ヨーロッパ出張中に心配して連絡(国際電話)をよこした世耕氏に、改めて「二つの勉強会」の目的を説明した。会に誘わなかった理由も話した。「10月中は山本一太と不良をやらないほうがいい。世耕さんには抜擢のチャンスがある。参院自民党でも、派閥でも、不良のブランドを押されている自分とは違う。(笑)世耕さんが11月に官房副長官にでもなったら、講師として勉強会に招くからね。(笑・笑)」