比例で「復活当選」した衆院議員の方々には申し訳ないが、自分はどうしても現在の「重複立候補ー選挙区で落選ー比例で復活」というシステム(いわゆる「ゾンビ制度」)に違和感を感じざる得ない。一般の有権者は尚更、「納得出来ない」と思っているに違いない。ましてや、小選挙区で善戦した若手候補者が「惜敗率」で引っかからず、ダブルスコアで負けているベテラン現職議員(最初から比例上位にランク)が「比例復活」で救われるという自民党の仕組みは「不公平」以外のなにものでもない。この点については、あらゆる候補者が平等に惜敗率で競う民主党のシステムのほうがよっぽど優れている。個々の候補者のインセンティブが全く違ってくるからだ。

 

 政治家の力の源泉は「選良」であること。自分がもし「比例復活」でしか当選出来なかったとしたら、発言の重みも存在感も半減してしまうに違いない。選挙区で当選するまでは胸のバッジは「半分」だと自分に言い聞かせるだろう。もともと「衆議院の比例制度」というのは、選挙制度を「中選挙区」から「小選挙区」に変える際の「激変緩和措置」だった。4回の選挙を経て、ようやく小選挙区制が定着してきた。そろそろこの「分かりにくい制度」を見直す(廃止する)時期だと思う。

 

 今回の選挙では、都市部(東京、大阪、京都、神奈川、埼玉、千葉等)を中心に2度目の「小泉ブーム」が起こった。民主党側からすれば、大変な「逆風」が吹いたということだ。そうした逆境の中でも、民主党の次世代エースたちは(苦戦しながらも)「小選挙区」で当選した。前原誠司氏、枝野幸男氏、野田佳彦氏、古川元久氏、細野豪志氏…。つまり、本物だけが生き残ったということだ。

 

 自民党は「小泉改革を後押しする風」に乗って300近い議席を獲得した。が、本当の試練は次回の総選挙だ。数は大幅に減らしたものの、「本物だけになった民主党」は(予想以上に)手強い敵になるかもしれない。