昼前。永岡洋治衆院議員が「亡くなった(自ら命を絶った)」という痛ましいニュースが飛び込んできた。 永岡代議士は亀井派。自民党総務会で郵政法案に反対した5人のうちの一人だったが、衆議院本会議では一転して賛成票を投じた。考えた末の決断だったに違いない。

 

 郵政法案をめぐる永岡氏の行動と今回の事件に関連があるかどうかは分からない。が、万一それが原因だとしたら、本当にお気の毒だと思う。 親しかった同期の議員によれば、かなり(特に本会議採決後の状況に)悩んでいたらしい。 永岡さんとあまり話す機会はなかったが、部会での論理的な発言は光っていた。誠実でとても真面目な感じのする人だった。残念というほかはない。

 

 昼食を終えて議員会館事務所に戻ると、大学生のインターンがハンカチで目頭をおさえていた。聞いてみると、永岡議員のお嬢さんと彼女は同じサークルに属しているとのこと。ご家族の方々のショックや悲しみがどれほどのものか…想像もつかない。 心からのご冥福をお祈りします。

 

 地元高崎駅の街頭演説から戻ったのは午前10時過ぎ。参院自民党の国会対策委員長室に矢野哲郎委員長を訪ねた。20分ほど、2人だけで言葉を交わした。「矢野委員長、参院本会議の採決は当初の方針どおり、8月5日にセットしてください。 週末をはさんだらダメです。とにかく金曜日に決着をつけてください!」とお願いした。 矢野委員長は、(ため息をつきながら)「うん、分かってる。それはともかく、オレも大変なんだよ、山ちゃん。派閥の会長は法案に反対だし、参議院の派閥リーダー(中曽根弘文氏)はいろいろと難しい立場のようだし…苦労してるんだ」と話していた。

 

 午前11時30分。議員会館事務所で説得工作(?)の準備をしていると、電話が鳴った。 景山俊太郎参院議員からだった。「あ、山本さん。あんた、昼の予定はどうなってる? 一緒に昼メシでも行かんかね。(*聞き覚えのあるフレーズだな。)」「ええ、大丈夫です。 で、どこに行けばいいですか?」「うん。そんならソバでも食べますか。」 景山氏御用達の「隠れ家のようなソバ屋」で郵政法案の打ち合わせをやった。 景山さんと2人で食事をするなんて、考えたら(10年間で)初めてのことだ。 政治に対する考え方も政治家としてのスタイルも、自分とは対局にある議員だと思っていた。しかも、青木幹雄議員会長と同じ島根県選挙区で、ミッキーの側近中の側近ときている。 距離が遠くなるのも当然だ。

 

 が、この人、じっくり話してみると、意外と発想が新しい。政治にも政策にも自分の哲学というものを持っている。政治手法も柔軟だ。 最年少で県会議長を務めた地方政治の雄だけあって、政局には独特の感性がある。 ううむ。明らかに「自分にないものを持った」政治家だな。 「とにかく、景山さんがコントロール・センターに繋がってるから、出来るだけタイムリーに(私なりの)情報を入れます。また、時間を作ってください。」と言っておいた。

 

 午後3時。総理官邸で飯島秘書官とのミーティング。 先日渡した「票読み」の修正部分について説明。丹後秘書官を交えて、20分ほど意見を交わした。(*もちろん、小泉総理には会ってません!ご心配なく(笑))明日も、明後日も、明々後日も打ち合わせ(アイ・ワイ懇)をやろうと決めた。ここが正念場だ。多少誤解されようが、憶測を呼ぼうが、遠慮なんてしている暇はない。