朝8時。「常任理事国の役割を考えるタスクフォース」の勉強会。メンバー6名のうち、5名が参加した。船橋洋一氏の話は(いつものように)情報満載で、しかも示唆に富んでいた。(*日本にもこんなにすごい国際派のジャーナリストがいる。)国連改革問題を含め、今後の日本外交は(良くも悪くも)「中国に出来て、日本に出来ないこと」「日本に出来て、中国に出来ないこと」(たとえば人権や環境)を検証し、日本の強みを発揮していかねばらないという指摘には、目からウロコが落ちる気がした。

 

 船橋氏は、安保理改革に関する日本政府のスタンスには批判的だった。加えて、靖国問題をめぐる小泉総理の戦略性の欠如を指摘し、小泉外交全般に対しても厳しい評価を下していた。自分の見方は、船橋さんとちょっと違う。ここのところ、日本をとりまく外交・安全保障の状況(日中関係、日韓関係、北朝鮮問題、日ロ交渉等)が厳しくなっていることは事実だ。が、そうした問題が、小泉総理の外交政策の失敗によって引き起こされたものだとは考えていない。

 東アジアの情勢、特に中国と韓国の国内事情の変化を考えれば、今回のような対立は(遅かれ早かれ)「通られねばならない道」だったと思っている。過去3年間、小泉首相の決断力と行動力があったからこそ、イラクや北朝鮮問題をめぐる外交の正念場を乗り切れたのではないか。他の総理に、30年かかっても議論の進まなかった「有事法制」を成立させることが果たして出来ただろうか。あれだけの政治的リスクを賭けて訪朝し、13名の拉致被害者の方々の帰国を実現することが可能だったろうか。

 

 政治家は口だけ達者でも務まらない。「小泉外交は稚拙だ!」などとインテリぶって解説する政治家たちの顔を思い浮かべてみる。優柔不断で突破力のない議員がいかに多いことか。

追伸:

1.郵政法案の「継続審議」なんてあり得ない。そんなことをしたら反対派の思うつぼだ。大幅な修正を押しつけられ、最後は廃案になるに決まっている。小泉総理がそんな選択肢を受け入れるはずがない。

2.昨日に引き続き、法案に反対(もしくは慎重)と言われている同僚・先輩議員をスラロームした。来週の中頃には全体の「感触」がつかめるだろう。思ったより…苦戦だな。これは。