愛知万博で来日していた中国の呉副首相が、本日午後に予定されていた小泉首相との会談を突如キャンセル。そのまま午後の便で中国に帰国した。中国側の説明によれば「国内の緊急の公務のため」とのことだが、真相は分からない。首相という一国のトップと会う約束をしておきながら、直前に会談を中止するなどというのは、国際的な外交のルール(マナー)から外れた失礼な行為だ。もっとも(たとえ両国にどんな問題があろうと)ウィーン条約で守る義務のある大使館や領事館への投石さえ止めない政府なのだから、最初から国際的なルールなどというものにはこだわっていないのかもしれない。

 

 自分は、依然として親中派でも対中強硬派でもなく、対中戦略派だ。中国とは戦略的視点を持って、(しっかり言うべきことは言いながらも)「お互いに実利のある安定的な関係」(ウィン・ウィン)を模索していくべきだと思っている。が、先日の反日デモ、そして今回のドタキャン、与党幹事長に対する胡錦涛主席の発言…こうした一連の中国政府の姿勢を見ながら改めて心に刻んだことがある。それは「中国という共産党一党支配の国に(もっと正確に言うなら胡錦涛政権に)けして幻想を抱いてはいけない」ということだ。このキーワードを踏まえて初めて、中国との「正しいつき合い方」が見えてくる。この言葉の意味するもの、すなわち日本の「あるべき対中戦略」ついては、近くこのレポートで詳細に説明したい。

 

追伸:

1.本日午後、参議院本館3階にある参院自民党幹事長室と議員会長室を訪ねた。片山幹事長と青木議員会長から「対北朝鮮経済制裁シミュレーション・チーム」の訪韓についてOKをもらった。ようやくソウル行きの日程とメンバーが固まった。訪韓スケジュールは6月10ー12日。10日(金)の夜に日本を発ち、12日の日曜日に戻って来る予定だ。参加メンバーは、前回中止になった訪韓ミッションに参加するはずだった6名。菅義偉衆院議員(座長)、山本一太(事務局長)、河野太郎衆院議員、葉梨康弘衆院議員、田村耕太郎参院議員、岡田直樹参院議員という組み合わせになった。(*西村康稔衆院議員は都合が合わず。下関の視察に行けなかった増原剛衆院議員は政務官という立場上、海外出張はムリらしい。)

2.制裁シミュレーション・チームの会合が、25日(水)の午後2時にセットされた。今月末までに「新たなシミュレーション」の骨格をまとめなければならない。

3.参院自民党の議員会長室で数分間、青木幹雄議員会長に会った。青木氏は(ひとことで言うと)「訪韓はいいが、慎重に」と話していた。いつものとおり、静かな口調の中に「風圧」を感じた。目の前でキャンキャン吠えるタイプの政治家はちっとも恐くない。(*そういう議員に限って『ちょっと調べてみると』スキだらけだったりする。)参院自民党で本当に「恐ろしい」と思うのは、青木会長だけだ。党人派の政治家(勝負師)だった父親と同じ「匂い」がする。小泉総理とタイプは違うけど、やっぱり数少ない「戦国武将」の1人だ…な。