日本政界有数の実力者である青木幹雄氏(参院自民党議員会長)が体調を崩し、しばらくの間、公務を離れることになった。2日前の夜、アルコールを飲み過ぎてダウンしたらしい。報道によれば、来週から5日ほど(静養をかねて?)検査入院するとのこと。

 

 かつて参院のドンと呼ばれた村上正邦氏(当時参院自民党幹事長)が政界を去って以来、青木氏は参院自民党のリーダーとして君臨してきた。参院の人事を一手に握り、「参院自民党には小泉首相の権限は一切及ばない」と公言し、政局では常にキーパーソンの役割を演じてきた。2年前の自民党総裁選挙では、参院の最大グループを小泉支持でまとめ、小泉総理の再選に大きく貢献した。小泉政権の下で行われた昨年の参議院選挙では、参院自民党の指揮官として全国を応援に飛び回っていた。小泉総理が改造内閣の最大の目標として掲げた「郵政改革」においても、法案成立のカギを握る存在だと言われている。恐らくここ数年間はほとんど「激務の状態」が続いていたに違いない。たまっていた疲労が一気に噴出したということかもしれない。

 

 参院選挙後の人事で、幹事長として選挙を仕切った青木氏が議員会長に昇格した。自分は参院自民党の中でこの人事を公然と批判した(恐らく)唯一の参院議員だ。そして、その後も一貫して青木会長が作った「支配のルール」に真っ向から戦いを挑んでいる。(*もっとも、子猫がライオンをひっかいているようなものだから、向こうは歯牙にもかけていないかもしれない。)が、それとこれとは別の話だ。青木会長には、この際ゆっくりと休息を取って、一日も早く健康を取り戻していただきたいと思う。まあ、心配しなくても、青木氏は(近いうちに)「何もなかったような顔で」公務に復帰するだろう。小泉総理と同じ「戦国武将型」の青木会長がこんなことで(いつまでも)倒れているはずがない。

 

 青木会長、ここはあまり無理をせず、しっかりと静養して体力を回復させてください。横綱(ライオン)から金星を取ることを狙っている幕下力士(子猫)の自分としては、全力でぶつかっても跳ね返されるような強い横綱の姿が見えないと、何の張り合いもありません。お身体、くれぐれも大切に。