午後9時。某テレビ局で北朝鮮問題に関するインタビューを受け、東京の部屋に戻ってきた。クリスマスのイルミネーションが綺麗な六本木ヒルズの周辺は、若いカップルで溢れていた。ああ、寒かった。いくら草津育ちでも、コートとマフラーなしで歩き回るのは無謀だ。

 

さて、以下は韓国出張(12月8日ー10日)レポートの続き。

 

 12月9日。午後10時から12時30分まで、議員会館の小ホールで「韓日国会議員フォーラム」の第一セッション(テーマ:「ブッシュ新政権の対北朝鮮政策と韓日協力」)が行われた。第一セッション終了後、韓日議員連盟会長のムン・ヒーサン議員(ウリ党、情報委員会委員長)が、約20名のパネリストを含むシンポジウム関係者を日本大使館を昼食に招いてくれた。

 

午後2時。韓日議員フォーラムの第二セッションがスタート。第二部のテーマは「冷戦後の日韓関係の新たな構想」だった。ステージに上がったパネリストは約10名。こちらのセッションにも、日本の国会議員2名(河野太郎氏と近藤昭一氏)が参加。午後4時まで議論を行った。ここで河野太郎氏が退席し、午後6時45分のフライトをつかまえるためインチョン空港に向かった。午後4時30分。残ったパネリストを集めて総合セッションに移行。午後6時まで(会場からの質問も含め)活発な議論が展開された。夜はソウル市内のレストランで打ち上げ。2次会で力尽きてホテルに戻った。

 全体の議論を通じて感じたことは、与党ウリ党の対北朝鮮政策が「対話のみに偏りすぎている」ということ。ウリ党には、戦後の韓国社会を牛耳ってきたエスタブリッシュメントの基盤を一気に崩したいという願望が強い。いきおい急進的な改革に走る傾向がある。こうしたやり方に対する国民の不安感が、ウリ党の支持率低迷につながっている。

 ウリ党所属議員のうち、若い世代で頭角を現している政治家のほとんどが(必ずしも悪いことだとは思わないが)学生運動出身者だ。ウリ党のメインストリームに流れる「歴史認識に関する原理主義的対応」「北朝鮮に対する親近感」「反米DNA」といった思考回路が、将来にわたって日米韓のスムーズな連携を妨げるのではないか。そんな不安を持った。

 

 さて、次回のレポートでは、ソウル滞在中に会った主な議員の印象について話したい。