午後9時30分過ぎ。東京の部屋でパソコンのスイッチを入れた。お湯を沸かしてテレビをつけると、本日の「サンデー・プロジェクト」の再放送をやっている。イラクの自衛隊派遣と日朝協議という2つのテーマで、3人のゲストが議論を戦わせていた。加藤紘一氏、高村正彦氏、そして逢沢一郎外務副大臣という組み合わせだった。ふうむ。逢沢副大臣、最近よくメディアに登場するなあ。今朝の「報道2001」は見れなかったが、確か、こちらにも逢沢さんが出ていたはずだ。

 

 永田町の先輩にあたる逢沢副大臣には、個人的にとてもいい感じを持っている。先日、たまたまある会合ですれ違った時も、「あ、山本さん。今度、一度、ゆっくりやろうよ!」とむこうから声をかけてくれた。(*外交政策や今後の政局等についてじっくり話そうという意味だと思うんだけど。)参議院外交防衛委員会の直前にわざわざ委員席までやってきて、(何かと思ったら)「あのねえ。今日、韓国の有望な若手議員(*名刺を見せながら)に会ったんだ。あなたがよく知ってる人でしょう?」と聞かれたこともあった。「ええ、良く知ってます。本気で次の大統領選挙を狙っている韓国政界のホープですよ!」と答えた。うーん。最近、外交分野でめきめき売り出している逢沢外務副大臣が、多少は山本一太という政治家の存在感みたいなものを認めてくれていたとしたら、ちょっぴり嬉しい。ぜひ、どこかで一度、夕食でもご一緒させていただきたいと思っている。

 

 逢沢さんは政策にも詳しいし、バランス感覚もある。クリーンなイメージだし、説明の仕方もとても真摯な感じがする。自民党のためにもどんどんマスコミに露出してもらいたい。実は先日、ある番組から、「まだ100%はっきりしませんが、北朝鮮の件でご出演をお願いするかもしれません。時間を開けておいていただけないでしょうか?」という連絡があった。「まあ、半分はキャンセルになる可能性があるな」と思いながら、日程の調整だけはつくようにしておいた。前日の夜に秘書のほうに電話があって、「明日の朝なんですが、逢沢副大臣に生出演してもらうことになったので、今回はナシということになりました。」とのことだった。まさか、逢沢氏のほうから、「自分が出るから、政府の人間でない山本はやめてくれ!」などと働きかけたはずがない。番組側としては、まず逢沢副大臣に出演要請をし、それがダメだったら山本一太でも引っ張り出そうかという思惑だったに違いない。きっと外務省側からギリギリまで返事が来なかったんだろうな。え?気を悪くしてるなんてことはありませんよ。ピンチヒッターとして考えてもらっていたとしたら、光栄な話だ。

 

 前述したとおり、逢沢副大臣にはあらゆる機会を通じて、国民に政府の立場(小泉政権の外交政策)を説明して欲しいと思う。が、政府関係者だから言いいにくいこと、言えないこともある。国民に発信するという役割を「政府」や「党」の幹部だけに任せるというのでは、情報発信のすそ野を狭くしてしまうことになる。しかも、すべての政府高官や党幹部が優れたコミュニケーターとは限らない。特に「発信者」のイメージが悪い場合は、それだけで政府や与党のマイナスになってしまう。異なった立場の政治家が、違う角度から議論を喚起し、説明責任を果たしていく。それが政治というものでしょう。これからも自分の意見を発信出来る機会があれば、どんどん出かけていくつもりだ。中継ぎでもピンチヒッターでも、そんなことはちっともこだわらない。

 さて、外務省にいる政治家のトップは、言わずと知れた町村信孝外務大臣だ。外務大臣になってからの町村氏の言動を見ていると、「やはり政治家だな」という感じがする。イラク問題についても、北朝鮮問題についても、自分の言葉で発信している。外交のリーダーとしての強烈なプライドを感じる。前任の川口順子大臣は、同僚議員の間では(はっきり言って)かなり評判が悪かった。「なんだよ、あの官僚答弁は!」「手堅い答弁だけど、重みがない。やっぱり政治家じゃないからだ。」(川口さん、ごめんなさい!)「まあ、そう言っても、能力はある人だしねえ。小泉総理が望んでいる役割を果たしているわけだから、気の毒な面もあるよ。」と庇うと、「なんでそんなに擁護するんだよお。ま、山ちゃんは小泉外交の勝手スポークスマンだからな。」などとからかわれた。が、やはり川口さんは「政治家ではなかった」と思う。町村氏が外務大臣だったら、ナルシズムとヒロイズムの塊のような某外務官僚の「役人の役割を逸脱した」言動をけして許さなかっただろう。町村大臣には引き続き政治家として外交をリードしてほしい。

 

 ところで、外務省にいる政治家(大臣、副大臣、政務官)の顔を一人一人思い浮かべながら、それぞれの「外交力」を自分自身と比較してみた。交渉能力(語学力を含む)、米国やアジアにおける人脈、外交政策の知識、国民に対する説明能力(国会答弁やメディアへの対応)、情報収集力、突破力、発信力、発想力、行動力等々…。このレポートを読みながら、また、メディアを通じた発言や行動をもとに、自分と「外務省にいる政治家」の能力をぜひ比べてみてほしい。(1対1で議論出来れば、すぐ分かるんだけどなー。)僭越ながら…誰と比べても(どれをとっても)自分はけして劣っていない。そう確信している。

 

 断っておくが、外務大臣とか外務副大臣になりたいなどとは思っていない。以前のレポートにも書いた。小泉改革の方向性は支持しているが、小泉内閣でポストをせしめようなどという「スケベ根性」は全く持っていない。万一、世代革命が成功して「新世代総理」が誕生したとしても、山本外務大臣を目指そうなどという大それた考えもない。(*首相補佐官のほうがずっといい。)が、将来、(間違って)外務省の政治家の仲間になるようなことがあったら、自説が正しいことを必ず証明してみせる。

 

追伸:少し前のことになるが、ある大物政治家が有名な政治評論家にこんなお願いをしたという噂が流れた。「山本一太は、出来るだけテレビ(あなたの番組?)に出さないようにしてくれないか?」

 俄には信じられない話だ。が、もし本当だったとしたら(「中二階」発言じゃないけど)自分も捨てたもんじゃない。そこまで意識されたら、大したモンだ(笑)まあ、きっと「作り話」でしょう。