明日24日、8日間の外遊を終え、小泉総理が帰国する。安倍幹事長との会談が、月末に予定される「改造人事」のキーポイントになるだろう。

 

 その3では、安倍幹事長の行動にともなうメリットとデメリットについて触れたいと思っていた。が、この件についての自分の考えは、8月6日のレポートNO946「安倍幹事長続投はあり得ない」の中にまとめられている。その部分を抜粋すると以下のとおりだ。

【ーーさて、9月の内閣改造で話題になっているのが、安倍晋三幹事長の去就だ。結論から言うと、安倍幹事長の続投はあり得ない。そう確信している。もともと安倍氏は参院選敗北の責任を取って(7月12日に)スッキリ辞任したいと考えていた。にもかかわらず、幹事長職にとどまったのは、青木参院幹事長の責任問題に繋がることを恐れた一部の偉い人々から無理矢理止められたからだ。本人にすれば不本意だったに違いない。「じくじたる思い」で毎日を過ごしているのではないか。

 

 その安倍氏が「約束を守らない旧世代の政治家」と同じことをするはずがない。そんなことをすれば、安倍晋三幹事長まで「同じ穴のムジナ」(不透明な政治家)みたいに思われてしまう。安倍晋三という政治家の持つカリスマと国民的人気は失われ、自民党は新世代民主党に対抗出来る数少ない「切り札」を失うことになる。安倍さんは閣僚就任も固辞すると見ている。たとえ小泉総理から強い要請があったとしても、受けないと思う。また、小泉首相も、嫌がる晋三氏を無理矢理に引き留めるようなことはしないだろう。考えてみてほしい。小泉さんが同じ立場(幹事長)だったら、誰が何と言おうと、とっくに潔く辞めているはずだ(笑)

 

 安倍さんには、この機会にしっかり「充電」してもらいたい。自らの政権構想を固め、派閥を超えた若手議員とのネットワークを広げ、胆力と覚悟を養い、次期総理としての本格的な準備を整えてほしい。政界の安倍ファンは皆、そう思っているはずだ。(自分が言うのは僭越だが)ここでいったん身を退くことが、安倍氏自身のためになある。それは同時に、自民党全体のためでもある。

 

 もう一度言っておこう。安倍幹事長の続投なんて、あるわけがない!! 安倍さん、次回(9月)には、ちゃんと本意を貫いてください!!ーー】

 

 さて、森派の一回生回が、安倍幹事長の留任を求める嘆願書(?)を総理に届けるという動きは、あまり広がっていないようだ。この動きは、(真偽のほどは分からないが)官邸の某議員がリードしていると聞いた。某氏は、真面目でバランス感覚のある政治家。何か考えがあってのことだと思う。が、自分はこうしたアプローチには賛同出来ない。噂によれば2回生を集めての懇談も計画されているらしい。昨日、当選2回の数名の議員と電話で話したが、一様に「オレは呼ばれていない!」と話していた。ふうむ??

 

 政治家にはそれぞれの立場や考え方というものがある。山本一太と違う意見があって当然だ。ある政治家が「安倍さんの続投」を求めたからと言って、そのことで相手に対する評価が変わったりすることはない。が、個人的には、安倍幹事長の決意にケチをつけるようなことはやって欲しくないと思う。ましてや、同じグループの議員が集まって「幹事長職に引き留めてほしい」などと総理に直訴するのは、いかにも形がよくない気がする。

 

追伸:

1.今回の安倍幹事長続投の流れを作ろうとする動きの発信源はどこだろうか?人気漫画「ワンピース」ふうに言えば、「摩訶不思議、政治の試練」というところか。

2.重要なのは、約束どおり「幹事長をきちんと辞める」ことだと思う。小泉首相から主要閣僚として入閣を要請されたり(*受けない気がするけど)、首相の特別補佐官や党の新しいポスト(たとえば政治改革フォローアップ本部長とか)への就任を要請されたら…それは安倍幹事長自身の判断だ。自分はそう思う。