一昨日。ニューヨーク滞在中の小泉首相が同行記者団との懇談会で、内閣改造にからんで「いわゆる(中二階世代)には、改革の情熱が乏しい。だから自分の後にすんなりおさまれない」という意味の発言をした。小泉さんが「中二階」という言葉を使ったのは、これが初めてのこと。さっそく、各マスコミから立て続けに電話があった。「小泉総理のあの発言、明らかに(新世代総理を創る会)で山本さんたちが使っている(中二階を吹っ飛ばせ!)というキャッチフレーズのコピーですよね!」某ラジオ番組からは「中二階の名付け親(?)としてのコメントが欲しい(笑)」というのまであった。

 

 「中二階」というのは、自民党内でポスト小泉に名前があがっている60代前後の閣僚、幹事長経験者のことを指す。自分が名付け親だなどとは思っていないが、20名の仲間とともに立ち上げた「新世代総理を創る会」のキャンペーンが、今回の総理の言動に少なからず影響を与えたことは確かだと自負している。

 

 今から10日ほど前。総理が外遊に出発する数日前に、官邸で小泉総理と2人だけで会った。一番の目的は、国連改革に一貫して取り組んできた政治家として、「小泉首相の国連総会演説の内容について一言意見を申し述べる」ことだった。加えて、10月に超党派でスタートさせようと考えている「国連改革推進議員連盟」(仮称)の特別顧問(*予想通り断られが)をお願いすることだった。

 

 その際、「新世代総理を創る会」についても説明をしておいた。「小泉総理。これは改革を進めていこうという意志を持ったグループです。総理の総裁任期(小泉内閣の歴史的役割)は、あと2年で終わります。その後、小泉総理が残した改革の芽を引き継ぎ、これを完成させていくのは我々の世代がやらねばならない。そのために2年後の総裁選挙に我々の世代から候補者を擁立しよう。(中二階の方々)を吹っ飛ばして政権を穫り、一気に政治の世代交代を進めようというのが、この会の意図なんです!」

 

 総理はニコニコしながら聞いていた。そして「新世代総理を創る会」のことを(マスコミ報道で?)明らかに知っていた。「中二階は吹っ飛ばします!」というフレーズには特に(*「ハハハ…」と愉快そうに笑っていた)反応していた。ううむ。あの場面を思い出すと…「新世代総理を創る会」の活動が総理のニューヨークでの発言を生み出す一因になっていることは間違いなさそうだ。

 小泉首相が使ったフレーズが「新世代総理を創る会」の影響を受けたかどうかというのは、実は大した問題ではない。重要なことは、小泉首相自身が「中二階」という言葉を使ったことで、「やはりポスト小泉には人材がいない。一気に若返らせないとダメだ」というムードが世論の中に広がりつつあることだ。これこそまさに思うつぼ。これだけでも「新世代総理を創る会」の目的は半分くらい達成されたと言ってもいいかもしれない。

 

追伸:

1.官邸の総理応接室に入ると、小泉総理は(いつものように)笑顔で迎えてくれた。が、やはり少し疲れた表情をしていた。その気ならもっと部屋にいられたと思うが、出来るだけ短く切り上げた。時間にすると20分弱。それでも、言いたいことをまとめて(コンパクトに)伝えることが出来た。

 北朝鮮問題については、「政府には政府の立場があると思います。経済制裁を発動するかどうかの判断は総理自身がお決めになることです。が、ここのところの北朝鮮の対応はひどい。議会としても動きを起こさざる得ないと考えています!」と話した。最後に、「小泉総理。参議院選挙は自民党の惨敗でした。が、多くの国民はまだ小泉改革に期待しています。(中途半端なことはやめて)とにかく突き抜けてください!!そうすれば必ず求心力が戻ってきますから」と激励した。総理の反応は…というものだった。

2.これから「中二階」という言葉がどんなに流行ったとしても、「流行語大賞」は受け取れないだろう!(笑)だいたい、北川知事が受賞した「マニフェスト」だって、ずっと前に自分が言い出していた。こういうのって、有名人じゃないと、ダメなんだよなー。