参議院選挙から約20日が経過した。群馬県地方区では自民党2議席独占を果たせなかった。1議席を失ったのは本当に残念だった。 暑い中で懸命に握手をしていた某候補の姿を思い出すと胸が痛む。が、自分は(微力ながら)今回の選挙に全力を尽くした。いろいろな事情や感情を乗り越えて、本気で応援した。それについては誰からも後ろ指を指されることはないと思っている。

 

 自民党の2大スターである小泉総理と安倍幹事長がこれだけ何度も入った選挙区は群馬県くらいだろう。 それでも民主党の若い候補者にストップをかけることは出来なかった。 政治に対する価値観も多様化している。複数区を一つの政党が独占するということ自体が難しくなっている。

 

 政治家はそれぞれの政治的生存をかけ、毎日、ギリギリの勝負をしている。だから、一人一人の国会議員の行動にはちゃんと理由がある。さらに言えば、それぞれの選挙区には(外部の人間にはけして分からない)それぞれの事情というものがある。 3年前の自分の選挙がどういう選挙だったか。それ以前からどれだけの陰謀や妨害、中傷に耐えてきたか。その後の3年間をどんな気持ちで過ごしてきたか。(詳しいことは書かない。)

 そこらへんの経緯を知っている支持者は皆、口を揃えてこう言った。「一太君、よくここまで一生懸命やったね!!」 議員会館の前で遭遇した(今回の選挙に関わった)ある青年はこう話していた。「いや、今回は一太さんのオトコギというのを見せてもらいました!」 少数精鋭の地元スタッフも、東京の秘書も(苦しい状況の下で)上司の立場を踏まえて、よくやってくれた。 自民党2議席独占を果たせなかった(応援した候補者が届かなかった)のは悔しいが、山本チームには感謝している。

 

 選挙中、小泉総理と安倍幹事長は、殺人的なスケジュールをこなしていた。各地で引っ張りだこの状態だった舛添要一氏や大仁田厚氏、小池百合子大臣なども全国をかけ回っていた。 こうした売れっ子の方々と比べたら物の数にも入らないが、山本一太も(公示前は)各県の仲間の応援に飛び回った。 断っておくが、自分は呼ばれてもいない選挙区に行くほどバカ(自惚れ屋)ではない。自分に選挙情勢をひっくり返すような影響力や人気があるなどとは全く思っていない。 

 応援に行ったのは、候補者本人から直接、「ぜひ、来て欲しい」と言われた選挙区だけだ。(*知ってますか?選挙を実際に動かしている人々にとって、呼んでもいない大物議員が来るほど迷惑なことってないんです。)少しでも貢献出来るならと思って足を運んだ。頼まれた場所を全部カバーすることは出来なかった。 他の応援ツアーは、所属派閥から要請があった2カ所と、自分が担当した比例候補者の大会だった。 無駄な日程は一日もなかった。 

 

 以前のレポート「選挙という自己責任」にも書いた。次回(3年後)の参院選挙がどういう結果になっても、他人のせいにするつもりはない。 自分の力で勝ち抜く気概があって初めて、手を差し伸べてくれる人々が現れる。選挙とはそういうものだ。 有権者の目は厳しい。候補者本人のメッセージと魅力にしか反応しない。 そのことを改めて胸に刻んだ参院選挙だった。

 

追伸:月曜日の朝。高崎駅周辺で街頭演説をやり、そのまま東京へ「とんぼ帰り」するというのがいつものパターンだ。 駅の階段を上がって改札に到着する前に(必ずと言っていいほど)地元の人に声をかけられる。 それがほとんど同じセリフなんです。「山本一太さんですか。私は民主党支持者だけど、あなたのことは応援してます。」「一太さん?オレはあんたとは違うグループの人を支持してるんだけど、あんたの時だけは一票入れるよ!」 そういえば、今回の参院選挙を取材に来た知人の記者が駅からタクシーを拾った。話し好きの運転手からこう言われたと教えてくれた。「自分は自民党を応援してないんだけど、山本さんは応援してるんですよ。今回は出ないけどね。」 保守王国群馬でも有権者の意識は変わりつつある。

 「今回の選挙がうまくいかなかったので、山本一太も3年後は苦しくなった」などと、したり顔で分析する人がいるらしい。が、今回の選挙結果が3年後の自分の戦いに大きな影響を与えることはないだろう。言い換えれば、次回の選挙で自分が当選しようが落選しようが、それは今回の結果とは関わりがない。 同じ組織(同じ人々)が、違う候補者を全く同じように応援するなどという現象はもはやあり得ない。しかも、組織だけに頼る政治家は生き残れない。自分が再選を果たせるかどうか。それは「00グループだから」とか「自民党だから」という理由ではなく、「山本一太だから」という独立自尊の一票、つまり「山本ファン」をどれだけ増やせるかにかかっている。