地元の支持者から、夕刊フジのネット記事のコピーが送られてきた。 記事のタイトルは、「46歳山本、53歳塩崎浮上…小泉内閣9月改造」というもの。記事では、7月21日に災害視察のために福井市内を訪れた安倍晋三幹事長が、「9月の内閣改造は大幅になる」との見通しを示したことを紹介。安倍幹事長の「フレッシュな人材が活躍する場所を与えてほしい」との発言から、安倍氏に近い複数の候補者が取り沙汰されていると解説されていた。そして、(驚くなかれ)有力な若手の入閣候補として、塩崎恭久氏とともに山本一太という名前が(写真入りで)書かれていた。他の候補者として野田聖子氏と渡辺喜美氏の顔写真も掲載されていた。

 

 このメンバーと一緒に「入閣候補」にあげてもらえるなんて、実に光栄な話だ。塩崎さんや野田さん、渡辺さんなんかが登用されたら、それこそフレッシュな内閣になるだろう。が、「山本一太が9月に入閣する」などということは、(残念ながら)200%、あ・り・得・な・い。理由はいろいろある。全部説明すると支障があるので、能力不足という事実に加えて、ひとつだけ説得力のある理屈をあげておこう。つまり、こういうことだ。




 自民党の参議院議員の人事はすべて青木幹雄幹事長、ではなくて青木幹雄議員会長の手の中にある。小泉総理は参議院のことはすべて青木氏に委ねている(「総理の人事権は一切参議院には及ばない」)ので、参議院枠の人事は、大臣であろうが、政務官であろうが、委員長であろうが、すべて青木氏が最終決定することになる。総理が参議院枠を無視して(青木議員会長の意向に反して)山本一太を抜擢するなどということは、現在の政治構造から考えて、絶対に、あ・り・得・な・い。逆に言えば、現在の山本一太という政治家に「総理にそこまでのことをさせる」実力とスター性がないということ。つまりこれは、自分の力不足に帰着する。

 

 以前のレポートにも書いた。小泉首相は(残念ながら)参議院を軽視し、青木幹事長を重視している。が、総理の立場からすれば、参院の実力者である青木氏と連携するのは当然だろう。小泉内閣の基盤を強め、改革を推進するための戦略的判断というヤツだ。 だから小泉首相の参院への姿勢を批判するつもりはない。ただ、今日の総理のぶら下がりインタビューの言葉:「(青木議員会長の昇格は)順当ですね。手腕や力量から考えても…。」には少々ガッカリした。総理、今度の参議院選挙は、明らかに負けたんです!!結果をもっと真剣に受けとめてください。

 

 数ヶ月前。宴会の席で会ったあるベテラン議員からこう諭された。「山本さん。あんたは能力も発信力もある。(*もちろんお世辞だ。)だから、あんまりつっぱらないで実力者に可愛がられたほうがいい。少し大人しくしてさ。そうすれば、外務副大臣とか、官房副長官というコースだってあるかもしれないよ。(*あるわけがない。)ポストにつけば、思う存分、活躍出来るじゃないか。」 神妙な顔をしながら、「はあ、そんなもんでしょうか。」と返事をしておいた。幸か不幸か、自分はこんな甘言に惑わされたことはない。だから、何の迷いもない。今のスタイルを変えて(停滞の法則を受け入れて)お座敷犬にみたいに実力者に取り入ろう、などという気持ちは全くない。

 

 小泉内閣誕生以来、小泉首相の改革を一貫して応援してきた。田中外相解任で内閣支持率が下がり、党内の応援団が急に少なくなった時も、米英のイラク攻撃支持で批判された際も、日朝首脳会談が賛否両論を巻き起こした時も、迷わず総理の立場を支持してきた。テレビの討論番組で「集中砲火」を浴びることがあっても、必死に反論してきた。が、皮肉なことに小泉内閣が続く限り、大臣はおろか、副大臣になる可能性もないだろう。そのことを覚悟した上で「マイナーリーグ」の掟を破って小泉応援団を務めてきた。




 ちなみに自分がポストにつく唯一の可能性は、2年後のポスト小泉「クーデター」が成功して、新世代の政権が生まれた時。そうなった場合は(出来れば内閣か官邸に入って)「新世代総理」をすぐ側で支えたいと思う。同世代の総理を守るためには自分の力が必要だと自負している。もし、声がかからなかったら?まあ、その時は自分の力不足をひとしきり嘆いて(笑)、ひとりの議員として内閣をサポートするしかない。

 

追伸:

1.政治の世界の鉄則。それは、「マスコミに早く名前が出すぎると、その人事は潰される」というものだ。今回の夕刊フジのネット記事も、「山本抜擢」を心配する政界の「カワウソツキ」類がしかけたものかもしれない。そんな心配は全くないのに。




2.某局の夜のニュースで、議員会長人事に関する自分のコメントが使われていた。映像を見ながら思った。実力者を寄生移動する「ヨラバタイジュ」とは、3年後にきっと決着をつける。




3.午後、議員会館事務所にやってきた某ジャーナリストから、「若手議員の中にも、育ちが良くて、頭が良くて、バランス感覚があって、あちこちの実力者や長老から可愛がられてる人がいますよ」という話を聞いた。へえ。若いくせに、そんな要領がよくて、物わかりのいい「若年寄り」みたいな議員がいるんだ。考えただけで、ホントに気持ちが悪い。




4.明日は久々に朝から地元に入る。「新世代号」を初めて選挙区に入れ、群馬県各地で街頭演説をやる予定だ。いよいよ、自分自身のための戦いが始まる。