午前12時前にホテルに戻った。米国人4人との2時間の「横メシ」でエネルギーをかなり消耗した。もう少し英語が上手ければ楽なんだけど。ふう。気力を振り絞ってパソコンのスイッチを入れた。よーし、ベッドに入る前に本日のレポートをやっつけるぞ。

 

 さて、今日は7月15日。外交スタッフとの朝の打ち合わせからスタートした。当初は午前中にセットされていたルーガー委員長との会談は午後4時に変更になった。その代わり、余分に時間を取ってくれるとのことだった。

 

 午前10時。クリントン政権で通商代表と商務長官を務めたミッキー・カンター氏と会った。場所はDC市内にあるカンター氏の法律事務所。相変わらず、知識の豊富さも情報力もずば抜けている。参議院選挙の与野党の獲得議席数まで正確に把握しているのには恐れ入った。前回のミーティングと同様、矢継ぎ早に質問が飛んできた。「自民党敗北の原因をどう見るか?」「小泉改革は大丈夫なのか?特に郵政民営化はどんな形で進んでいくのか?」「日本経済回復の要因は何だと思うか?」 こちらも負けずに質問を返した。「大統領選挙をどう予想するか?」「第二次ブッシュ政権とケリー政権では、どちらが日米関係にとってプラスだと思うか?」まるでディベートのような40分だった。

 

 「日米関係は新たな段階に入った(成熟した)と思うか」という質問に対してカンター氏は(民主党支持者なのだから当然と言えば当然だが)「外交面でも経済面でも日米関係が重要であることは間違いない。が、現在の日米関係が成熟した状態だとは思えない。」と答えた。「なぜですか?」と聞くと、「ブッシュ政権は日本との関係において(イラク問題に象徴されるように)あまりに外交安全保障面に比重を置きすぎている。日米間に経済を含む様々な問題が存在するのにちゃんと目を向けていない。成熟した関係なら、そうした問題をきちんと議論出来なければいけない」という主旨のことを話していた。

 

 昼は日本のマスコミ関係者10数名との懇談。ワシントンに駐在するほとんどの新聞社とTV局の特派員が顔を出してくれた。ジャーナリズムから見た日米関係の現状について意見を聞いた。思ったとおり、外務省(日本大使館)の見方とは対照的だった。

 

 午後3時過ぎ。NSC(国家安全保障会議)のアジア上級部長であるマイケル・グリーン博士と久々に再会した。コンピューターの故障でビルの中には入れず、約束の時間から20分遅れてビルの外に出てきたグリーン氏と、近くのカフェで話をした。いつ会ってもエネルギッシュで雄弁。「日米関係は今まででベストの状態」という持論を繰り返していた。

 

 午後4時。上院ビルのオフィスでルーガー外交委員長と面会。ああ、やっと会えた。このミーティングの模様は次回のレポートで。昨晩あまり寝ていないせいか、目がチカチカする。今晩は少し早めにベッドに入ることにしよう。明日は朝の列車(アムトラック)でニューヨークに向かう予定だ。