新大阪から夕方の新幹線(のぞみ)で東京へ向かっている。大阪では地元府議、候補者夫人と一緒に2カ所で街頭演説をやった。同行してくれた若い市議にいろいろと情勢を聞いた。うーん。ここも予断を許さない戦いになっているようだ。

 

 演説も握手も一生懸命、やった。が、この2つの街頭演説と10分の遊説のために、自分が来てどれだけの役に立っただろうか。しかも、総理が大阪に入るという日に??受け入れる側も実は迷惑だったんじゃないかなあ。地元(群馬県)に入ってマイクを握ったほうが、明らかに「費用対効果」が良かった。自分の足下の選挙区の候補者がここまで厳しい状態なのに。

 

 新聞や週刊誌の一部から「自民党大苦戦」の予想が出始めた。最悪の場合、現有51議席どころか、41議席くらいしか取れないのではないか、という見方まであるようだ。自民党本部や各県連はかなり危機感を強めている。党の組織を「フル回転」させないと大変だという認識が広がりつつある。逆に考えると、選挙を10日後に控えたこの時期に「自民党ピンチ」の情報が流れたのは「不幸中の幸い」かもしれない。これが投票3日前だったら、手の打ちようがない。最後の10日間。自民党の巨大マシン(=衆議院議員プラス地方議員の組織)の「フル稼働」によって、どこまで劣勢を挽回出来るか、だ。

 

 今回の選挙で、自民党が51の現有議席をギリギリ確保出来たとしても、参院自民党は(実質的に)手痛いダメージを被ることになる。6年前に「惨敗した」グループの改選であることを考えれば、本来なら「議席を回復しなければならない選挙」だからだ。自民党にとって本当に大変なのは次回(3年後)の選挙、すなわち3年前の小泉ブームによって圧勝した組の改選だ。3年後の選挙で自民党が大きく議席を減らすことは(残念ながら)間違いない。ということは、今回現有議席をギリギリ守ったとしても、自民党の単独過半数獲得は至難の業ということになる。ましてや、51を割り込むようなことになったら、過半数奪取は「未来永劫不可能」と言っていい。

 

 だから、自民党が今回の選挙で目標ライン51をギリギリでクリアしたとしても、それは「参院自民党帝国」の崩壊の序曲(プレリュード)になるだろうと思っていた。万一、議席獲得数が40台前半にとどまるという事態にでもなれば、参院自民党の「支配構造」は(次回選挙を待たずに)一気に崩れ始める可能性がある。以前のレポートにも書いた。参院のムラ社会が崩れ落ちる日が必ずやってくる。思った以上に早く。もともと失うものは何もない。「乱世」は望むところだ。

 

追伸:

1.各地の応援に飛び回りながら、つくづく思う。この1年、「チュウトハンパンジー」や妖怪「やっかみじじい」の妨害(常任委員長だから、政局が難しいから等々、様々な理由をこじつけられて)によって、持ち前の「発信力」と「存在感」をかなり封じ込められた。それがなかったら、もっと選挙応援の役に立てたのに…。

2.何度も言うが、参議院選挙は政権選択の選挙ではない。参議院選挙に敗北したからといって、(選挙の直接の責任者である衆参の自民党幹事長が責任を取るのは当然としても)それがそのまま総理の退陣論に結びつくのはおかしな理屈だ。が、あまりに惨敗したら、総理の責任論が浮上し、政局になる。それは避けられない。

3.次回参院選挙で自民党が負ける根拠??そんなの簡単だ。小泉政権の誕生がなければ、前回の参院選挙は惨敗必至だった。小泉ブームが「本来なら届かなかったはずの」候補者まで、すべて当選させた。もっと分かり易い話をしよう。自分が見る限り、現在の自民党参議院議員(地方区)の中で(これまでの選挙の実績やアピール力等から判断して)最も選挙の強い政治家は山本一太(僭越ながら)と世耕弘成の2人だろう。この山本・世耕コンビだって、次回の選挙は勝てるかどうか分からない。ましてや、他の自民党参院議員が簡単に当選出来るハズがない。