午前8時から党の外交部会。政府(藪中アジア大洋州局長)から日朝首脳会談についての結果を聞いた。その後に行われた質疑では、総理訪朝を「評価する声」が多かった。自分は手をあげて次のような内容の発言をした。

 

 「5人の家族の帰国が実現し、安否の分からない10名の再調査を約束させたという点で、一定の進展はありました。それは評価すべきだと思います。国民の6割以上が評価し、内閣支持率も10ポイント跳ね上がっているということは、国民もそう考えているということです。が、(期待値が高かっただけに)十分に満足出来る成果とは言い難い面もあります。1ラウンド目は相手に差し込まれた感じ。これから2ラウンド、3ラウンドで挽回していく必要がある。小泉訪朝の本当の評価は、ジェンキンス氏の問題を解決出来るか、安否不明の10名の方々について、具体的に(期限を切って?)どれだけ信頼に足る調査の仕組みを作れるか、そして今後の6者協議で北朝鮮政府の姿勢がどう変化するか。ここらへんを見極めた上で決まってくると思います。」

 

 さらに、こう続けた。「外交部会の幹部の方々に、一つお願いしたいことがあります。ジェンキンス氏の問題は最後は小泉総理とブッシュ大統領の政治決断で解決を図るしかないでしょう。が、国会が果たせる役目もある。米国の議会は政府の外交政策に少なからぬ影響力があります。党の外交部会と外交調査会が中心になって、米国議会に働きかけてはどうでしょうか。中山、高村元外相とか、お2人の防衛庁長官経験者とか、今、幹部席に座っている方々が中心になって米国上下両院の有力者にアプローチする。特に、長年日米議員交流に携わってこられた松田外交部会長は、ハスタート下院議長と20年来の親友だとうかがっています。」(*ここで、そんな関係ないこといいよ!という野次あり。大事なことなんだよ!とすぐ言い返した。)

 

 この意見に対する反応は鈍かった。某幹部が立ち上がって、こう発言した。「ジェンキンス氏の件は、米国政府が決めるべき問題だ。日本が外から言える話ではない。(出席していた外務省幹部を見ながら)外務省はそこらへんのところをきちんと国民に説明したほうがいい。」

 

 そうすると、政府(内閣)に入っていない国会議員は、曽我さんの家族の問題を、ただただ総理に任せて、成功を祈るという選択肢しか持っていないことになる。となりに座っていた国際政治学者の舛添要一氏に小さな声で聞いた。「この問題で米国議会に働きかけるというのは、意味のないことでしょうかねえ。」「いや、そんなことはない。役に立つでしょう。」部会が乗り気でないなら仕方がない。改正外為法や特定船舶入港禁止法案と同様に、まず有志で行動を起こそう。

 

 部会では、訪朝を批判する意見もあった。ある議員は、「今回の首脳会談の結果は屈辱的だ」と言い、さらに「総理の訪朝は独断専行で行われた。金正日総書記と同じやり方だ。郵政事業民営化の問題と同じだ。」とコメントした。完全に論理が錯綜している。とても違和感があった。

 

追伸:

1.午後10時から約2時間の外交防衛委員会。委員終了後、そのまま東京駅へ直行した。午後2時から始まっていた群馬県旅館組合の総会に飛び込み、挨拶。再び東京へ戻る新幹線に飛び乗った。車中で紅茶を待っている。

2.先週、参院自民党の某副幹事長から、山本一太の「年金未納期間」についての問い合わせがあったらしい。政策秘書が正確に説明したそうだ。今日も、別の副幹事長から同じ件について電話があった。(???)「未納が見つかった時点で、自分のHPで公開しています。すべての新聞のアンケートにも答えてますよ。」と言っておいた。