午後4時。議員会館の事務所で、赴任挨拶に来た新しい駐日マレーシア大使と会った。その大使と一緒に、TVで細田官房長官の記者会見を見た。この会見で、小泉総理が22日に「日帰り」で訪朝し、金正日総書記と2度目の首脳会談をやるということが正式に発表された。集まった記者の質問にギリギリまで丁寧に対応する細田長官の様子を見ながら、昨晩の短い会話が甦ってきた。

 

 昨晩の午後8時過ぎ。安倍晋三幹事長の携帯に留守電メッセージを残した。しばらくして(午後10時頃だったと思うが)折り返しの電話がかかってきた。「あ、幹事長。忙しいところ申し訳ありません。小泉総理が特定船舶入港禁止法案を今国会で成立させることを了解したという話は本当ですか?」と聞いた。安倍氏の返事は、「うん。そのことはちゃんとオンレコで言っておいたから」というものだった。普段と変わらぬ明るい声だった。

 

 これは…どういうことだろう。安倍幹事長が総理訪朝について今日まで全く知らされていなかったというのは考えられない。加えて、総理が船舶の法律についてゴーサインを送ったということと、再訪朝して日朝首脳会談を行うということは(普通に考えれば)両立しにくい感じがある。北朝鮮側は「船舶法」の成立を黙認(発動するかどうかは別問題と捉えて)し、その上で8人の家族を無条件で帰国させることに同意したということなのか。この後どんな展開になっても、船の法律は国会を通過させねばならない。最低限でも、8人全員の無条件帰国を実現し、同時に(今後の交渉を睨んで)2つの外交カード(経済制裁法)を整備しておくという流れにしておくべきだろう。

 

 総理の再訪朝にはいろいろと批判もある。が、総理が決断した以上、出来るだけ多くの成果をあげて欲しいと思う。家族8人全員の帰国を実現し、行方不明とされる10名の捜索及び帰国に道筋をつけ、核やミサイルの問題に関して北朝鮮政府から明確な姿勢を引き出して欲しい。2度目の日朝首脳会談の動きを注意深く見守りたい。