GQという情報誌に「国会議員の英語力診断」という記事が掲載されていると知り合いのTV関係者から聞いた。「一太さんの英語はネイティブなみだと書いてありました。」へえと思って、早速取り寄せてみた。

 

 ふうむ。これがGQの3月号か。中身をめくってみると情報誌としてはかなり充実している。その記事の中に…あった。「国会議員77人の英語力を診断」だって。3人の専門家(?)による政治家英語ランキング会議というのがあり、それに基づいて「英語のうまい政治家10人」が写真入りで掲載されていた。なるほど、ランキング会議の議論の中にこんな一節がある。「(某米紙記者):自民党の山本一太さん、民主党の古川元久さん、彼らの英語力はネイティブとかわりません!」

 

 なになに、英語ランキングは…1位が加藤紘一氏、2位が塩崎恭久氏、3位が川口順子外相、4位が河野太郎氏、5位が河野洋平氏、6位が石井一氏、7位が秋葉忠利氏、8位が鳩山由紀夫氏、9位が古川元久氏、10位が石原伸晃氏となっている。ハッキリ言って、このランキングはかなりピント外れだ。世代と党のバランスを取った結果だとは思うが、それにしても読者に誤解を与えるなー。

 

 まず第一に「山本一太の英語がネイティブなみ」のはずがない。そんなに上手かったら苦労しない。さらに、自分の英語能力は(謙遜ではなく)「外国人と政治や経済、外交問題についてきちんと議論出来る最低限のレベル」だと思っている。現在でも月に数回は英国BBCラジオの実況インタビューを受けているし、外務政務次官時代にはほとんど通訳を使わなかったので「議論出来る」と言わせてもらっていいと思う。議論出来るギリギリのレベルなのだから、自分より英語の下手な政治家(ましてや外務官僚)は「英語が出来る」というジャンルに入らない。

 

 10位までにランクされたメンバーのうち…河野太郎ちゃん、塩崎さん、川口外相は、山本一太より明らかに英語能力が優れている。ここらへんの判断はまだしも…ううむ。これ以上は言うまい。ちなみに自分がこれまでに会った(そして一言でも英語を話すのを聞いた)国会議員の中で最高の英語の達人は、加藤紘一氏でも、(ましてや)鳩山由紀夫氏でもない。民主党参議院議員の浅尾慶一郎氏だ。元イタリア大使を父に持つ浅尾氏はいわゆる帰国子女。文字通り「バイリンガル」と言っていいだろう。浅尾氏の段階まで到達してはじめて「ネイティブと変わらない英語」だ。

 

 昔、このHPで「真の国際派は何人いるか」というレポートを書いた憶えがある。近いうちに「政治家山本一太が選ぶ英語の出来る政治家リスト」を発表しようと思っている。こっちのほうが数倍、正確な情報を世間に届けることが出来るだろう。

 

追伸:「英語力診断ランキング」は使えないが、GQという雑誌自体はなかなか面白い。時々買って読んでみることにしよう。