午前10時30分。党本部で安倍晋三幹事長に会った。作戦会議の途中で小泉総理からの電話が入ってきたり…相変わらず多忙な様子だった。幹事長との細かいやり取りは書かない。要約すると、「(特定船舶入港禁止法案)は今国会で成立させたい。そのつもりで作業を進めて欲しい。」ということだった。法案の今後の進め方(条文案を政調三部会にかけるのか、それとも拉致対策本部を含む4合同会議でやるのか)や具体的な審議スケジュールについては、与党内の動きを見ながら決まっていくことになるだろう。個人的には審議のペースを早める必要があると思う。道路公団の法律の前にやらなければ、日程が足りなくなってしまうからだ。幹事長の反応について、早速「対北朝鮮外交カードを考える会」のメンバーに電話で報告した。

 

 午後12時前。日本橋三越本店で開催中の「おいしさまるごと群馬展」に顔を出した。群馬の名産を試食して回る。こうしてみると、上州には美味しい食べ物がいっぱいある。午後3時過ぎ。水野賢一衆院議員から、公明党の神崎代表が特定船舶入港禁止法案について前向きな発言をしたという情報が飛び込んできた。このニュースを頭に置いて、午後4時の外交関係合同部会へ。6者会議の報告をするはずだった外務省の藪中・アジア大洋州局長が予算委員会のため欠席。代わってミッションに同行した斎木昭隆審議官から説明があった。

 

 最初に手をあげて質問した。「とりあえず協議の枠組みが維持され、6月までに次回の会合を開くことが決まったこと。また拉致問題についての日朝協議を継続する流れになった(?)ことは一応評価したい。が、結果だけ見れば、北朝鮮は核カードを温存し、議長総括の文言で無理を通し、「時間」を手にしました。他方、拉致問題についての具体的な進展はほとんどなかった。こうした状況を受け、特定船舶入港禁止法案の審議が本格的に進むことになると思います。安倍幹事長も今国会での成立を目指すことを明言しています。斎木さんは何度も北朝鮮側と交渉しているわけですが、今回の会議を通じ、改正外為法(すでに成立)と特定船舶入港禁止法案が北朝鮮の姿勢にどのくらい影響を与えた、あるいは与えていると思いますか?」さらにもう一問。「斎木審議官の説明の中で、(北朝鮮側に拉致問題を先に進めようというニュアンスを感じた)という部分がありましたが、何をもってそう感じたのか。教えてください。」

 

 斎木審議官の答えにはいくつか興味深い点があった。続きは次回のレポートで。