福岡空港で午後9時35分の飛行機をキャッチした。東京に向かう機内でパソコンを開いた。風が強いせいか、機体が揺れて書きにくい。熱いお茶の入ったカップを時々手で押さえながら、キーボードに指を走らせている。

 

 さて、先日、国会の廊下で会ったある先輩議員からこう言われた。「山本さん、最近、活躍してるねえ。TVでもしょっちゅう発言してるよね。(*そんなに出てないんだけど、イメージとは恐ろしいものだ。)でも、少し気をつけたほうがいい。男の嫉妬は厄介だよ。永田町では、目立つとやられる、からね。」

 

 残念ながら、これは事実だろう。注目度が上がれば、それだけマスコミに身辺を調査されたり、足を引っ張られる可能性が高くなる。永田町のいわゆる大物政治家のスキャンダルというのは、自然に湧き出てくるわけではない。必ず陰でしかけを作っている人物(政治家?)がいる。権力闘争にはつきものの構図だ。幸か不幸か「政治家・山本一太」はそんなことを心配するほど影響力もないし、有名でもない。が、これから自分が政治生命をかけてやろうとしていることが形になってくるとすると、党内に今以上の敵を作ることになるだろう。よほど自分自身の襟を正し、ディフェンスを固めておかなければ、いつ足をすくわれるか分からない。HPのフロントページに設置された「政治活動終了時計」を眺める度に、自らの決意を再確認している。

 

 神妙な顔で先輩の「出る杭は叩かれる」「目立ったらやられる」というアドバイスに耳を傾けた。「はあ。メディアに露出する回数は実際はそんなに多くないんですが。とにかく、ご忠告はきちんと胸に置いておきます。ありがとうございました。」と答えた。そして心の中でこうつぶやいた。「でも、あなたに言われるとは思いませんでした。」ここからは口に出せなかった本音の言葉だ。また物議を醸すことになると思うが、心の声をそのまま言葉にすると…次のようになる。

 

 「そちらの選挙区ではあなたの強引な口利きの噂が絶えませんよね。あなたのところの大物秘書がずっと地元の談合を仕切っていたというのは有名な話です。だいたい、政治資金の流れが全く不透明だと思うんですが。集めているお金(公表の数字)と使っているスタッフの数が一致してないと誰かが言ってました。」心の声はさらに続く。「地元の資金管理団体の企業はほとんど公共工事に関係している会社ばかりですね。あなたが一貫して(政府や委員会で)役職を求めてきた特定の省庁への影響力を使って業界を動かし、強引にパーティー券を売りさばいているとも囁かれいます。実際、いくつかの会社から悲鳴があがってます。」

 

 さらにさらに心の叫びは止まらない。「それから、よく銀座のクラブとか赤坂の料亭に出かけておられるようですね。某クラブでは(ホステスお持ち帰りの00さん)なんて呼ばれているますが気づいておられますか。さらに言うと、外務省の体制なんかをカッコよく非難してますよね。それはご自分の信念だからいいと思います。でも、それをするなら、海外に出た際に、大使館に対してあんな無茶苦茶な便宜供与はやめたほうがいい。官僚がしっかり記録に取ってます。表に出たら問題になりますよ。」(*山本ネットワークを侮ってはいけません。)心の言葉はこう締めくくられた。「目立ったらやられるとのことですが、そのままだと、目立たなくてもやられるのでは…。まずご自分の心配をしたほうがいいと思います。」

 

 自分が他の政治家に比べて100%クリーンだなどと言うつもりはない。毎日、様々なグレーゾーンに悩みながら、政治活動を続けている。古い政治文化を抜け出せなくて必死にもがいている部分だってある。でも、少なくとも(リスクをかけて)政治資金や政治活動を透明にし、政治家として自らの行動を律する努力を一生懸命続けてきた。このことについては、改めてレポートの中で(じっくり)取り上げたいと思う。

 

 飛行機が降下を始めた。間もなく羽田空港だ。さあ、最後の日程(TV局のインタビュー)を消化するまで、気合いを入れていこう。