午後4時48分の新幹線で「もう一つの人生」に向かっている。前橋市長選挙の企業決起大会で応援の挨拶をやり、再び東京にトンボ帰りする予定だ。夜は東京で「Free&Easy」誌のインタビューを受けることになっている。あの伝説のバンド「BOOWY」(群馬県出身)についての思い出を語って欲しいということだった。たまにはこんなリラックスした取材もいい。

 

 取材と言えば、午前中に党本部の廊下で、「議員年金」について某テレビ局のインタビューを受けた。民主党の一部で「議員年金を廃止する法案」が検討されているらしい。一般国民の感覚からかけ離れた(あまりに優遇された)現在の議員年金制度を見直すのは当然だ。個人的には現行の議員年金制度をいったん廃止して、新たなシステムを再構築するべきだと思う。が、政治的パフォーマンスばかりが先行して、精緻な議論がないまま「とりあえず明日から無くそう」みたいなアプローチには賛成出来ない。

 

 午後1時。「対北朝鮮外交カードを考える会」の会合。6名のメンバー全員が出席した。特定船舶入港禁止法案について関係省庁を交えて議論した。来週火曜日にセットされた三部会合同会議(内閣部会、外交部会、国土交通部会)には「限りなく条文に近い要項案」を準備出来そうだ。政府間交渉のために平壌を訪れている外務省チームが明日の夜、帰国する。交渉の結果がどうなるかは分からないが、「外交カードを作る会」としては、とにかく粛々と法案審議を進めていくことになるだろう。

 

 ところで、車内販売の紅茶、早く来ないかなあ。あと15分で高崎に着いちゃうぞ。

 

追伸:

1.朝8時。来日中の王毅外務次官と朝食を食べた。6者協議や台湾問題、日中関係等について率直に議論した。懇談の詳しい内容は書かない。が、いくつか興味深い発見があった。

2.昨日の午後、モルガン・スタンレー証券の顧問を務めるミッキー・カンター氏と議員会館の議員面談室で会った。ミッキー・カンターと言えば、クリントン政権で米国通商部代表、商務長官を歴任した日本でもお馴染みの大物。日米の貿易問題をめぐって橋本龍太郎元総理と激しくやり合った場面は記憶に新しい。

 

 東京支店長等に付き添われて来訪したカンター氏と握手をしながら、まず英語でこう挨拶した。「お目にかかれて光栄です。お話し出来るのを楽しみにしてました。ただし、私の専門は金融・経済ではなく、外交・安全保障の分野です。あなたが期待しているような意見交換が出来るかどうかは分かりません。」カンター氏はニッコリしながら答えた。「いや、私には特定の専門分野はないんです。(何でも知っているという意味か?)特に外交分野にはとても興味がある。だからあなたに会いたかった。北朝鮮の問題、イラク情勢、台湾問題等について、率直なご意見をうかがいたい。」

 

 約40分間、外交・安全保障の問題を中心に(もちろん横文字で、ああ疲れる)意見を交わした。さすがはクリントン政権の重鎮にして、米国ジョージタウン大学の先輩。一つ一つのコメントが示唆に富んでいた。「次回はもう少しゆっくり議論したい。」「ええ、今度ニューヨークかワシントンに行ったらぜひ時間を作ってください。」そんな挨拶でミーティングを終えた。帰り際に山本一太の5枚目のオリジナルCD「かいかくの詩」(東芝EMI)をプレゼントした。カンター氏はちょっぴり感動した様子だった。