朝8時の新幹線で高崎駅へ。最初の日程は毎年同じ日に行われるJA群馬の新年互礼会。昨年と同様、互礼会が始まる1時間前に会場の前橋市JA本部に入り、各階の部署を回ってひととおり新年の挨拶をすませた。

 

 午前10時30分。1階の大ホールで新年会が始まった。JA会長の挨拶に続き、来賓の地元国会議員が次々にマイクを握った。不動のトップバッターは毎年この会に顔を見せる中曽根康弘元総理。「今年は(政界を引退したので)皆さんにお礼を言うために来ました」と前置きをした上で、日本の現状と展望について(これも例年のように)演説した。いつもより短かった。締めくくりのセリフを聞いて思わずのけぞってしまった。「かつて、マッカーサー元帥がこういう言葉を残しました。(老兵は死なず、ただ去りゆくのみ!)私はそうは言いません。(老兵は死なず。去りもしない!)それが中曽根流です。」

 

 ううむ。齢80をこえてなお、この気概。この覇気。この野心。ただ凄いという他はない。しかも、小泉総理に対する個人的な批判は一切なかった。(一時はスゴク怒っておられたが...)この挨拶を聞きながら心の中でつぶやいた。「中曽根元総理とか、宮沢元総理とかいった高度な見識と豊富な経験を持ったベテラン政治家(超人的政治家)の存在は、この国にとって貴重な財産だ。特に中曽根元総理のような人には、年齢には関係なく(政界を引退した後でも)政治について大所高所から時の政権にアドバイスを与えたり、日本のとるべき進路について様々な発信を続けてほしい。」同時にこうも考えた。「この2人は特別としても、(普通の老兵)はやはり政界から去ってもらわねばならない。そうでなければ、自民党もこの国も競争に勝ち抜くことは出来ないだろう。」

 

 夕方まで前橋を中心に企業の新年会や支持者宅の挨拶回りをやった。午後5時30分の新幹線に乗って、東京に戻る。夜は友人のジャーナリストとの会合。中華料理をつつきながら、今後の政局や外交問題について意見を交わした。それにしても、前向きでヤル気に溢れた人間と話すのは、なんと楽しいことか。