当然のことながら、政治家は中身が勝負だ。政策もビジョンもない、使命感さえ感じられない政治家の「軽薄さ」は、悲しいくらい繕いようがない。何年も同じやり方で、同じ(薄っぺらな)パフォーマンスで有権者にアピールしようとする「進化しない」政治家は、真剣に勉強もしていないし、努力もしていない。日本という国家は様々な意味で危機に直面している。政治の責任は重大だ。この重要な時期に、本当に能力とやる気のある人間が政治の舞台に参入出来る仕組みを作らないと(自民党というより)この国は早晩、滅びるだろう。最近、つくづくそう思う。

 

 別に自分が政治家として優れているなどとは思っていない。が、自らの才能の欠如や能力不足に苛立ちながらも、政治家としての理想や目的を実現するために(少なくとも)必死でもがいている。とりわけ、2世議員である自分には払拭しなければならない原罪がある。すなわち、「誰かのチャンスを奪って政治家になった。政治家として相応しい資質を持っていることを常に証明し続けなければならない」という試練だ。

 

 政治とは毎日が小さな勝負と競争の連続だ。地元で活動している時も、他の選挙区に応援に入った時も、中央で国会活動(政策や政局)をやっている時も、同僚議員の言動に耳をそばだて、目を凝らして相手の力量を見極めようとしている。その人の発言や行動、演説をチェックし、「この人物は侮れない」「この政治家は、この点では自分より優れている」「やっぱりコイツはバカだ」と思ったり、思われたりしている。自分の行動の一つ一つによって、回りの人間から評価され、判断される。その緊張感を持ち続けたいと思う。とにもかくにも、永田町にはもっと健全な競争原理を導入しなければいけない。

 

 さて、本日は朝の新幹線で1週間ぶりに地元に入った。午前10時に自民党県連本部で行われた「衆議院選挙候補者出陣式」に出席。選挙区、比例区から立候補する7人の候補者が、それぞれ党の女性幹部から候補者名の入ったタスキを受け取り、次々に選挙に臨む決意を表明した。中曽根康弘元総理の公認問題が決着していないこともあり、TVメディアがワッと押しかけていた。この問題については改めて書きたいと思う。

 

 参議院の2人の先輩議員の後で、挨拶の順番が回ってきた。気合いを込めて短くこう言った。「3年前の苦しい参議院選挙では、ここにいる皆さんの力をお借りして勝ち抜くことが出来ました。私も含め、全国各地の自民党参議院議員候補者が小泉総理と握手しているポスターを掲げ、小泉改革の支援を訴えて当選しました。今度の選挙は、その構造改革の成果を問う選挙です。微力ながら、全員の候補者の方々の当選を期して全力で応援させていただきます!!」

 午後からは群馬県東部(2区と3区)の挨拶回り。桐生市、伊勢崎市、館林市等に設けられた小選挙区候補者の選挙事務所を次々に訪ねた。熊谷駅から東京行きの新幹線をキャッチし、予定より少し早く東京に戻ってきた。

某ホテルの喫茶レストランで友人(TVプロデューサー)を待っている。たった今、携帯に「少し遅れる」という連絡が入ってきた。紅茶をもう一杯注文することにしよう。