「悪巧みの会」についての報告、その1。先週の夕方、秘書官に無理やりお願いし、アポ無して中川昭一経済産業大臣の部屋(大臣室)に飛び込んだ。中川大臣は役所を出る直前。忙しく資料に目を通しながら、それでも真摯に話を聞いてくれた。これまでの経歴、政治家としての実力からいって、中川昭一氏が自民党次世代のエースの一人であることは疑う余地がない。が、中川氏は江藤・亀井派の大幹部でもある。様々な事情を考え合わせれば、「総理を作る会」のメンバーになってもらうことは最初から無理だと分かっていた。が、この動きだけは伝えておきたかった。

 

 すぐに本題に入った。「中川大臣、この趣意書にある(総理を作る会)は、総選挙後に本格的な活動を始めます。かなり注目される動きになってくると確信してます。合流していただくのは難しいとしても、大臣も次世代の総理候補のお一人ですから、このことはお知らせしたかったんです。(あれ、山本のヤツ、オレに何の話もなかったぞ。結構、面倒見てるのに)などと後で言われるのはイヤですから」と説明すると、無言で趣意書を眺めていた中川氏は、いつものように(二ヒルに)「うん。主旨は分かった」とつぶやいた。そこは政治家、「この会がスタートしたら、勉強会の講師という形で、ぜひ一度話をしてください!」というセリフを忘れずにつけ加えておいた。

 

 「悪巧みの会」についての報告、その2。次期総裁選挙に自民党公認で出馬する若い候補者と電話で話した。官僚出身の30代。政治家に転身しようとするエリート若手官僚がほとんど民主党を選ぶ中で、あえて自民党から出たいと言う。しかも出馬する選挙区には野党の有力な議員がいる。一緒に出演した某TV番組の後で、短い時間だが、話す機会があった。「ガッツのあるタイプ」であることを直感的に感じた。その時、「よし、折を見て(総理を作る会)のことを話してみよう」と心に決めた。

 

 相手は寸暇を惜しんで駆け回っている候補者だ。単刀直入に用件を切り出した。「一度、私のHPのレポートを一度読んでみてください。(すでに読んでいたようだった。)この会の活動に興味があるなら、もちろん主旨に賛同してもらえるなら、どうです、一緒にやりませんか。20日に立ち上げる予定のホームページには、我々と一緒に登場してもらってもいい。選挙のアピールにもなると思うんだけど...」とそこまで言って、少し迷いが襲ってきた。これから入学しようという何も知らない優等生を、不良グループに誘うような気がしたからだ。事実、参院自民党でも、森派でも、山本一太は札付きの問題児ということになっている。

 

 少しトーンを変えて続けた。「ま、そうは言っても、まだ国会議員になったわけではないし、党内の派閥の関係もあるかもしれませんね。県内の国会議員の反応も分からない。そういうことでマイナスがあると思えば、入らないほうがいいかもしれません。そこはよく考えてみてください。ただし、メンバーになったからには、誰に何を言われようが、一緒にやってもらわないと。政治家だからね。」彼は(このチャンスに)即座に反応した。「いや、会にはぜひ入れてください。それから、山本さん、一度応援に来ていただけませんか?」ううむ、いいなあ、この反応!どのくらい役に立つかは分からないが、一度は選挙区に応援に入らねばなるまい。新しいHPのコピーを片手に。