午前10時からの参議院外交・防衛委員会で、委員長としての初仕事をやった。最初のうちは(委員や大臣が発言する度に)「00くん!」「石破防衛庁長官!」「川口外務大臣!」なんて指名していい気になっていたが、委員長という役は思った以上に大変だった。まず委員長席にずっと座って、すべての答弁に耳を傾けなければならない。もちろん、ウトウトしたりなんか出来ない。今日はたまたま2時間の質疑だったが、これが7時間コースだったりしたら...ひえー想像するだけでため息が出てしまう。




 加えて、委員会がもめた場合には、委員長の手腕が問われることになる。本日も質問に立った共産党の委員が、政府参考人の答弁がおかしいとクレームをつけ、委員会を一瞬止めようとした。その場で言い争って委員会を続行させるという小さなハプニングなんかもあって、ちょっぴりスリリングなスタートだった。

 

 国会の常任委員長、ましてや参議院の委員長が注目されることはほとんどない。立法府と行政府の本来の関係からすれば、委員長は大臣と同等の影響力があってもおかしくないポストなのに。たとえば米国議会における外交委員長、とりわけ上院の外交委員長は外交政策に対して大きな影響力を持っている。事実、前の外交委員長だったルーガー上院議員は共和党の押しも押されぬ実力者。現在の外交委員長であるバイデン上院議員(民主党)は、大統領候補としても名前が上がるほどの有力者だ。

 

 外交・防衛委員会の質疑が終わった後、別館の大臣控え室で川口大臣に会った。参院外交・防衛委員長と外務大臣のインフォーマルな月一回の懇談会をやりたいとお願いした。川口大臣は快く了解してくれた。今週中に石破大臣にも同じ提案をさせてもらおうと思っている。もちろん懇談の内容はオフレコにする。とにかく与党の委員長として両大臣を本気で支えなければならない。そのためには、それなりの信頼関係と情報が必要だ。

 

 委員長の任期は約1年。この間、外交・防衛委員長というポストのブランドを高めたいと思う。衆議院はもちろんのこと、諸外国を見渡しても、外交委員会と防衛委員会を統合した常任委員会、すなわち外交・安全保障問題を一手に引き受けるような委員会は見当たらない。これまで築いてきた自らのネットワークや発信力を最大限に活用し、議員外交や委員会質疑に新しい可能性を開いてみたい。とりあえず、総選挙が終わったら(貯金を降ろして)米国とアジアを回るつもりだ。米国のカウンターパート(上院外交委員長)に会うことが出来れば、それだけで画期的だ。